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日鋼記念病院 地域に根差し時代を先取る115年 全国初の医療機能評価や道内初のPETなど

2026年(令和8年)03月30日 月曜日

日鋼記念病院 地域に根差し時代を先取る115年 全国初の医療機能評価や道内初のPETなど

2025年10月に徳洲会グループ入りした社会医療法人母恋 日鋼記念病院(北海道)は、これまで道内初となる多様な取り組みを積み重ねてきた。たとえば1997年に日本医療機能評価機構の認定を全国第1号として取得、同年、民間病院では道内初となるヘリポートを設置したり、災害拠点病院の認定も受けたりした。98年には道内初のPET(陽電子放射断層撮影)導入も果たした。こうした進取の精神を今後も継続し、地域医療の発展に邁進していく。

「先進的な取り組みをしてきました」と振り返る山田・事務次長 97年に民間病院として道内初となるヘリポート設置 01年に胆振地域初となる周産期医療用ドクターカー導入

北海道室蘭市に立地する日鋼記念病院は、1911年1月15日の創立以来、115年にわたり時代の先をゆく挑戦を続けてきた。その歩みには道内初、あるいは全国初となる取り組みが積み重なっている。同院を運営する社会医療法人母恋の山田康弘・法人本部事務次長は、創業者が抱いていた情熱を振り返り、「地域一番、道内一番、日本一番と、とにかく一番を目指そうと、常々言っていました」と語る。

この精神が具体的な形となって現れた出来事のひとつが、97年の日本医療機能評価機構による認定であり、全国で第1号となる快挙を成し遂げた。認定を受ける2年前から機能評価事業の「試行調査」に参加し、継続的な審査を受ける地道な努力があった。「本番では当院が最初に受審し、認定も1号となりました」と山田・事務次長が胸を張る。

救急医療体制の充実でも先駆的な役割を果たしてきた。84年に同院の立地する地域でいち早く「24時間365日、すべての救急患者さんを受け入れる」という方針を打ち出し、「断らない救急」を実践。この姿勢は97年の災害拠点病院の認定や、民間病院としては道内初となるヘリポートの設置につながっていく。

山田・事務次長は「災害拠点病院の認定を受けた後、補助金でヘリポートや貯水槽、自家発電装置などを整備していきました」と、地域を守るためのインフラ整備に奔走した日々を振り返る。

さらに、ドクターカー(医師や看護師、救急救命士が同乗し、医療機器を搭載して救急現場へ出動する緊急車両)の導入も全国的に早い段階で行った。その後、2001年には胆振地域初となる「周産期医療用ドクターカー」の導入や、地域で唯一のNICU(新生児特定集中治療室)の運営、地域周産期母子医療センターの指定を受けるなど、母子医療の機能も大幅に強化した。

先進技術とITで医療の質向上 患者QOL追求し次世代へ継承

98年にPET検査の臨床利用を開始 01年に道内初の院内独立型ホスピス「緩和ケア病棟」開設

先進技術の導入も積極的に実施。1984年のデジタル式血管造影装置(DSA)導入、96年のヘリカルCT導入、そして98年には道内初となるPET検査の臨床利用を開始した。PET検査は当時、保険収載前であり、高度先進医療として国の特例許可が必要な時代だった。「厚生労働省(当時)から直接許可を得るために、さまざまな書類を一からつくっていきました。その許認可の手続きが事務方としては非常に大変だったことを覚えています」と山田・事務次長。

さらに、検査に用いる試薬の製造も院内で行う体制を構築。こうした積み重ねが2007年の「地域がん診療連携拠点病院」の指定に結び付いた。同院は現在、西胆振二次医療圏で唯一、国から指定を受けた同拠点病院として、地域のがん医療を牽引している。

医療の現場を支えるIT化や利便性の向上でも力を発揮。PHS端末とナースコールを連動させるシステムの開発では、NTTドコモの職員が院内の「ニッコー・ヘルス・システム研究所」に駐在して共同開発を行い、2000年代初頭という早い段階で実用化した。この取り組みは日本病院学会で発表、全国の病院に普及する先駆けとなった。

また、患者さんのQOL(生活の質)を重視する姿勢は、01年に開設した道内初の院内独立型ホスピス「緩和ケア病棟」にも見て取れる。高いデザイン性を備えた同施設には、本州の病院からも多くの見学者が訪れた。

115年の歴史を振り返り、山田・事務次長は「本当に全国的に先進的な取り組みをしていたと思います」と目を細める。

また、コロナ禍という未曾有の困難を経て、医療を取り巻く環境は厳しさを増しているが、「徳洲会の精神に触れるたび、私自身の若い頃の血が騒ぐような思いがします。これからも全力でサポートしていく所存です」と語気を強める。同院は今後も室蘭・胆振地域の方々の命を守り抜くため、地域医療の充実に尽力していく。

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