細野・大垣病院薬剤部主任 亜鉛濃度の影響因子特定 論文が日本病院薬剤師会学術奨励賞
2021年(令和3年)10月04日 月曜日
細野・大垣病院薬剤部主任 亜鉛濃度の影響因子特定 論文が日本病院薬剤師会学術奨励賞
受賞記念の盾を持つ細野主任
大垣徳洲会病院(岐阜県)の細野真吾・薬剤部主任(薬剤師)が『日本病院薬剤師会雑誌』に投稿し掲載された論文が、今年度の同薬剤師会学術奨励賞を受賞した。論文テーマは「亜鉛欠乏症に対する酢酸亜鉛の補充効果に影響を与える因子の検討」で、掲載は2020年8号。
ウィルソン病治療薬である酢酸亜鉛の治療対象に低亜鉛血症が追加されたのは2017年3月。体内の亜鉛が欠乏すると味覚異常や創傷治癒遅延、貧血などの症状を呈することがある。
「酢酸亜鉛による血清亜鉛濃度の上昇幅は個人差が大きくばらつきがありますが、影響を与える因子を確かめた研究はありませんでした。クリニカルクエスチョン(臨床的疑問)として気になっていたテーマでしたので、患者さんに還元するために研究しました。受賞は励みになりますし、意義のある研究と認められ自信につながりました」(細野主任)
細野主任は大垣市民病院の協力を得て1年間、週に1度、同院で研究。医療薬学専門薬剤師の資格取得のため同院で研修している間に取り組んだ。18年1~9月に同院で低亜鉛血症治療を受けた65人の患者背景を検討。その結果、「低アルブミン血症」と「利尿薬の併用」を影響因子として明らかにした。