古河・松原病院顧問 ベストドクターに選出 スキルス胃がんを診療・研究
2020.9.23
古河・松原病院顧問
ベストドクターに選出
スキルス胃がんを診療・研究
札幌東徳洲会病院は今年に入り、新たな医師が着任するなど診療体制の一層の充実を図っている。具体的にはPET(陽電子放射断層撮影)センター、形成外科、脳神経外科で、常勤医の確保により既存の設備や環境が活用でき、従来行えなかった診療が実施できるようになった。専門分野が異なる医師の加入で治療の幅も広がるなど、より多くの患者さんを受け入れ地域に貢献していく。
「大阪府がん診療拠点病院に」と古河顧問
松原徳洲会病院(大阪府)の古河洋顧問(外科医師)は「Best Doctors in Japan 2020-2021」に選出された。2016-2017に続き2度目。「長年、諦めずにスキルス胃がんの診療・研究を続けてきたからでしょうか」――。Best Doctors選出の評価ポイントを、古河顧問自身に尋ねると、こう答えが返ってきた。
古河顧問は大阪府立成人病センター(現・大阪国際がんセンター)や市立堺病院(現・堺市立総合医療センター)、近畿大学、岸和田徳洲会病院を経て2019年に松原病院に入職。一貫して胃がんの診療と研究に取り組んできた。とりわけ注力してきたのがスキルス胃がん。隆起や陥凹がなく胃の壁を硬く厚くさせながら大きくなっていくタイプの胃がんをスキルス胃がんという。内視鏡で早期に発見することが難しく、症状が現れ発見できた時にはかなり進行していることが多い。一般的な進行胃がんと比べても著しく生存率が低く、治療が難しいがんだ。
Best Doctors in Japan 2020-2021の賞状
古河顧問は拡大手術(LUAE)を実践、治療法の進展に寄与してきた。拡大手術は、胃と胃の周囲に浸潤している可能性があるがんを、ひと塊として切除する術式をいう。また、術前放射線化学療法や抗がん剤腹腔(ふくくう)内投与など、安全で効果的な治療法の確立に向け研究に情熱を傾けてきた。現在も継続中の臨床試験を抱えている。また07年からは関西がんチーム医療研究会に中心的にかかわり、学術集会を開くなど多職種による「がんチーム医療」の発展に貢献。同院ではセカンドオピニオンも担当している。「当院は患者さんのことを第一に考えた熱心なスタッフたちが集学的ながん医療に取り組んでいます。今後は大阪府のがん診療拠点病院の指定を取りたいと考えています」と意欲的だ。