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新春特別企画――㊤ 地域医療維持に全力 病院の新築移転計画が続々

2023.01.19

新春特別企画――㊤ 地域医療維持に全力
病院の新築移転計画が続々

病院運営は“人”が第一だが、診療機能の向上や患者さんへの快適な療養環境の提供、働きやすい職場環境など実現のため、設備投資を行い老朽化した建物を建て替えることは、サスティナブル(持続可能)な事業の担保に欠かせない。離島・へき地を含め地域医療の堅持を掲げる徳洲会グループは、続々と建て替えや新築移転を計画している。

災害への対応を強化し長寿命化を図る新・喜界病院(完成予想図) 救急から在宅までトータルヘルスケアを担う新・徳之島徳洲会病院(完成予想図)

徳洲会グループ唯一の精神科単科病院である日野病院(神奈川県)が2月1日、名称を「横浜日野病院」にリニューアルし、新病院での診療を開始する。建て替えにより療養環境の大幅な改善が実現、新たに認知症治療病棟(38床)を開設し、認知症の方々の入院受け入れに注力していく【1面に関連記事】。

「当院は幹線道路(横浜市・環状2号線)に面し周囲には住宅街が広がっています。そうした環境に溶け込む落ち着いたデザインにしました。コンセプトは“自分自身が入院したい病院”です。これまで建物の構造や造りからバリアフリー化が難しく、認知症の入院対応ができませんでしたが、建て替えにより可能になりました。周辺のニュータウンにお住まいの方々の高齢化が進んでおり、都市部に立地する精神科病院としての役割が増しそうです」(馬場淳臣院長)

新病院オープンにともない電子カルテの導入や湘南鎌倉医療大学に通う看護学生の実習受け入れなど新たな試みも実施する。

3月には東海大学医学部付属大磯病院(神奈川県)を医療法人徳洲会が事業承継し、「湘南大磯病院」として新たなスタートを切る。同院は1984年4月の開設で、急性期医療から在宅医療まで地域の中核病院として展開してきた。承継後も徳洲会は同院の運営を通じ、地域医療に貢献していく考えだ。

以降も徳洲会グループは離島・へき地を含めた病院新築移転プロジェクトを計画的に推進。昨年、起工式を行った喜界徳洲会病院(鹿児島県)は24年7月、徳之島徳洲会病院(同)は25年6月に新病院での診療を開始する予定だ。喜界病院は「島内唯一の病院として、住み慣れた島で最期まで暮らすことを実現できる病院」を目指し、徳之島徳洲会病院は「ヘルシー・リゾート・アイランド 原点回帰から世界へ」を新病院のコンセプトに掲げる。その後、宇治徳洲会病院(京都府)の第2病院(回復期機能などが中心)、神戸徳洲会病院、東佐野病院(大阪府)、北谷病院(沖縄県)、日高徳洲会病院(北海道)、庄内余目病院(山形県)、与論徳洲会病院(鹿児島県)などの新築・新築移転計画がある。さらに国外でもアフリカのコンゴ民主共和国などで病院開設支援プロジェクトが進行中だ。

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