中部徳洲会病院 服部・疼痛治療科統括部長 厚労省で招聘講演 がんの緩和ケアに係る部会
2022.09.28
中部徳洲会病院
服部・疼痛治療科統括部長
厚労省で招聘講演
がんの緩和ケアに係る部会
「がん疼痛の治療には多様な選択肢があります」と服部・統括部長
中部徳洲会病院(沖縄県)の服部政治・疼痛治療科統括部長は厚生労働省の「がんの緩和ケアに係る部会」から招聘され、「神経ブロックによるがん疼痛治療」をテーマに講演した。その後、厚労省は全国の医療機関に「がん診断時からの緩和ケアの実施」を求める文書を発出。これにともない服部・統括部長はメディア向けにも同テーマでオンライン講演を行った。
現在の緩和医療は、がん疼痛の除去を麻薬などの投薬のみに頼る傾向にあるが、「神経ブロックや放射線治療を併用すべきです」と服部・統括部長。がんの痛みが出てきた時点で、麻酔科や放射線治療科に相談し、最適なタイミングで神経ブロックや放射線治療を行えば、患者さんは鎮痛薬の副作用で朦朧とする期間を最小限に抑え、最期を迎えることができる。
ただし、服部・統括部長は「がん診断時からの緩和ケアの実施」に注意点を示す。「がん診断時、いきなり終末期医療の話しを切り出されても、患者さんは受け入れることができません。まずは患者さんと信頼関係を構築することから始めるべきです。どのような最期を迎えたいか、いつでも話せる土壌をつくっておくことが大切」と強調。「がん疼痛の治療にさまざまな選択肢があることも把握しておかなければなりません」と喚起する。
神経ブロックができる医師の減少も課題であり、服部・統括部長は後進の育成にも力を入れている。「当院は全国から見ても、がん疼痛に対する神経ブロックの実施数が多いのが強み。麻酔を学びながら神経ブロックも学べる環境を整備しました」とアピールしている。