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館山病院 口腔機能リハセンター開設 QOL向上を目指す

2022.07.20

館山病院
口腔機能リハセンター開設
QOL向上を目指す

館山病院(千葉県)は6月1日の新築移転時に、口腔機能リハビリテーションセンターを開設した。同センターでは髙橋浩二センター長を中心に、歯科衛生士や言語聴覚士ら専門スタッフがチームで診療できる体制を整え、脳血管疾患や頭頸部腫瘍の治療後、また神経・筋疾患に併発する摂食嚥下障害、構音障害などの診断と管理を中心に行う。

「検査評価後、最適な対応法を示します」と髙橋センター長

口腔機能には発音、咀嚼、嚥下、呼吸などがあり、その維持はQOL(生活の質)向上の重要な要素だ。髙橋センター長は「以前は疾患の治療が優先されてきましたが近年、要介護高齢者と誤嚥性肺炎症例が激増し、摂食嚥下障害を中心とする口腔機能障害の回復が重要視されるようになってきました」と指摘。館山病院が立地する地域には、口腔機能リハビリを専門にする医療施設がないため、同院への期待は大きい。

摂食嚥下障害の診断には嚥下内視鏡や嚥下造影検査を用いるが、髙橋センター長は検査所見のみならず「全人的医療」を見据え、歩行動作、食への意欲と嗜好、検査時の表情や息遣い、患者さんを取り巻く環境も重視する。さらに「検査で口腔機能を評価したら、患者さんの背景を考慮しながら、安全に食べられるようになる最適な方法を示さなければ意味がありません。侵襲的な検査ですから、患者さんやご家族にとって最大限有益なものになるよう心がけています」と強調する。

現在は、院内での定期的な勉強会で専門スタッフの「プロフェッショナリズムの育成」に注力すると同時に、外来、病棟での口腔機能検査・指導に加え、近隣の介護施設での研修も実施。秋頃をめどに摂食嚥下チームを本格的に稼働させ、訪問診療にも力を入れていく。

さらなる展望として、髙橋センター長は「地域の方々だけでなく、世界中から摂食嚥下障害に苦しむ患者さんを迎えられるように、世界に向けた情報発信に力を入れ、この地域を盛り上げていきたい」と意欲的だ。

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