看護師特定行為研修 松原病院が4月開始 徳洲会グループ12施設目
看護師特定行為研修
松原病院が4月開始 徳洲会グループ12施設目
松原病院は4月から研修開始(研修生は後列左から5人)
超高齢社会で在宅医療などを推進するためには、医師(歯科医師を含む)の判断を待たずに診療の補助が行える看護師を確保する必要がある。同研修は特定の行為を手順書に沿って実施できる看護師を計画的に養成していくのが目的。特定行為は21区分あり、なかでも実施頻度が高い特定行為をパッケージ化(6領域)し研修を行う。
同研修にグループで最初に取り組んだのは南部徳洲会病院(沖縄県)で、2018年10月にスタート。続いて20年に2病院、21年に8病院が開始し、今年4月に松原病院がスタートした。
同院が同研修に取り組む背景として、①外部で同研修を終えたクリティカルケア(救急看護と集中ケアを統合)認定看護師が、院内で横断的に動き活躍している、②同研修を行うことで特定看護師として自覚をもち、高い知識と技術を習得することで看護の質を高める、③医師がいなくても医師の指示の下、迅速な処置を行うことができ、看護師の業務の幅が広がることで早期対応が可能となる、④医師の外来や手術などの時間に合わせることなく迅速に対応することで、患者さんを待たせることなく、また看護師の業務をスムーズに行うことができる――を挙げている。
同院では「呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連」、「創傷管理関連」、「創部ドレーン管理関連」、「動脈血液ガス分析関連」の区分に対し5人の看護師が同研修に取り組んでいる。4月4日に院内で入講式を行い、口々に「重責を感じている」、「このような機会をいただけたので頑張りたい」と決意を表明。吉田毅院長は「医師の『働き方改革』のことが言われているが、看護の質を上げるためにも頑張ってほしい」と激励した。
藤澤典子・看護部長は「当院では、特定行為研修を終えたクリティカルケア認定看護師が活躍しています。依頼を受けた認定看護師が医師とカンファレンス(検討会)や情報交換を密に行うことで、看護の質が上がっていることを感じました。私たちはあくまで看護師です。医師が忙しいからではなく、患者さんの状態をいち早く見極め、医師への報告と他職種との協働により、患者さんの状態安定に取り組んでいきます」と意欲的だ。
徳洲会はグループを挙げて特定看護師の育成に注力。一般社団法人徳洲会は業務内容や実施可能な医療行為の水準、初期研修プログラムなど記した特定看護師規定を作成、4月に施行した(診療看護師規定も同時施行)。