沖縄県で続く病床逼迫 各院全力を傾注し対応 新型コロナ 徳洲会は今
沖縄県で続く病床逼迫
各院全力を傾注し対応
新型コロナ 徳洲会は今
ほぼ満床が続く南部病院コロナ病床
患者さん退院後、紫外線照射システムで病室内を除菌(宮古島病院)
中部徳洲会病院は軽症・中等症のコロナ患者さん受け入れのため増床した21床に、現在は既存の18床を加えた39床で対応。さらに入院患者さんや自宅療養中の患者さんの重症化などに備えHCU(高度治療室)3床、疑似症用に17床も確保した。
照屋いずみ看護部長は「現在、診療体制などを調整しながら、コロナ患者さんに対応していますので、落ち着いたら病床配分のバランスを再考していく予定です」。また、同院は5月21日に院内クラスター(感染者集団)が発生したため(現在は終息)、「65歳以上の個別接種の枠を拡大し、接種への対応を強化していきます」と明かす。
同院を後方支援している北谷病院は、県からの要請を受け5床増床し、アフターコロナの患者さんを一時的に受け入れている。喜納幸美・看護責任者は「感染隔離が解除された患者さんを受け入れているとはいえ、当院には長期入院患者さんが多いので、クラスターを起こさないように注意しています」と強調する。
南部徳洲会病院はコロナ専用病床を30床確保。軽症から中等症まで受け入れる協力医療機関の指定を県から受けている。しかし重症を受け入れる重点医療機関の病床も逼迫しているため、入院後に患者さんが重症化した場合は院内で継続して治療にあたっている。
「当院入院中に重症化し、挿管・人工呼吸器管理、ECMO(体外式膜型人工肺)治療を行った事例があります。その際は日本ECMOネットの方々の支援もあり、その後順調に回復、現在、退院に向けリハビリを行っています。同ネットの支援に感謝しています」(大城光子・看護部長)
6月22日時点でコロナ陽性患者さん29人が入院。自宅やホテルで療養中の待機患者さんも多く、1床空くと翌朝には入院要請の連絡があり、依然、病床逼迫が続いている。
離島の宮古島徳洲会病院は現在、軽症・中等症の患者さんを10人前後受け入れている。PCR検査や入院患者数は減少傾向にあるが、島内に受け入れ医療機関は2施設しかなく、重症者に対応できないため予断を許さない状況だ。「保健所、行政、他院、地区医師会が参加する会合が週2回開かれるので、連携を深め、今後に備えたいです」と感染管理担当の伊達めぐみ看護主任。
石垣島徳洲会病院も軽症・中等症の患者さんに対応。重症者を診る島内の県立病院と役割分担を図ってきたが、第4波では石垣島病院でも酸素投与を行うなど逼迫している。友寄幸子・看護部長は「院長同士がWEB会議などを行っています。今後は第5波への準備が必要かもしれません」と気を引き締めている。