名古屋病院 第11回春日井心臓血管セミ 狭心症テーマに開催
2021.03.02
名古屋病院
第11回春日井心臓血管セミ 狭心症テーマに開催
名古屋徳洲会総合病院は2月13日、第11回春日井心臓血管セミナーを開催した。テーマは「狭心症に対する最新の診断と治療」。前回同様オンライン開催で、全国から約180人の医療従事者が参加した。
オンラインで中国から参加も<
「中国の病院からの参加もあります」と大橋総長
同セミナーは近隣の医療機関に最先端の情報を提供するのが狙い。紹介する医療内容や機器、薬剤などに偏りが出ないよう、企業協賛はすべて断り、公平性にこだわっている。冒頭、大橋壯樹総長が「皆さんと直接お会いできないのは残念ですが、オンライン開催のメリットとして、全国からご参加いただけることに加え、今回は当院と連携している中国の病院からの参加もあります」と挨拶。続いて、青山英和・循環器内科部長が「狭心症に対する当院の取り組み」と題し報告した。セッション1では、藤田医科大学の谷澤貞子・循環器内科教授が座長を務め、愛媛大学大学院の城戸輝仁・医学系研究科放射線医学教授が「心臓CTを明日の診療から活用するために知っておくべき基礎から最新技術について」と題し講演。冠動脈CT(コンピュータ断層撮影)は慢性冠動脈疾患の中等度リスク群での除外診断に有用だが、不整脈や高度石灰化症例は苦手であると説明した。
さらに、冠動脈CTを狭窄(きょうさく)率、プラーク性状、灌流(かんりゅう)域の3つの観点から解説したうえで、最新技術にも言及。FFR-CTは狭心症を非侵襲的に検査する新たな技術、CT-Perfusionは造影剤を急速静注しながら連続的にCT撮像を行い、脳の血流を定量的に評価する検査法と紹介、「今後は新しい手法による機能評価も期待されます」と結んだ。
城戸教授は冠動脈CTの基本や最新技術など解説
大野部長は冠動脈バイパス術の治療効果など説明
積極的に薬物治療やPCI(経皮的冠動脈形成術)が施行される現状でも、CABGは強力な心筋梗塞予防効果と生命予後改善効果を有すると強調。「平均余命15~20年以上期待できる世代では、LITA-LAD(左鎖骨下動脈から分岐する左内胸動脈を心臓の前面を走行する左冠動脈前下行枝に吻合(ふんごう))が有効なすべての病変に対し、CABG適応の優先を考慮して良いと考えます」とアピール。また、糖尿病患者さんに対する冠動脈バイパス手術や、低心機能の患者さんに対してのアプローチなどにも言及した。
講演終了後は、質疑応答も活発に行った。次回は9月頃の開催予定。