お知らせ

良き習慣は伸ばし悪しき習慣改め新しい叡智を築いていく

2021.01.01

良き習慣は伸ばし悪しき習慣
改め新しい叡智を築いていく
つねに思うことは「患者中心の医療」

安富祖 久明(あふそひさあき) 一般社団法人徳洲会 理事長安富祖 久明(あふそひさあき) 一般社団法人徳洲会 理事長

2020年は新型コロナウイルスに明け暮れた一年でした。世界中で多くの方々が感染し亡くなりました。私たちの生活様式も一変、マスク着用や手指衛生、ソーシャルディスタンスの励行など、これまでなかった習慣が瞬く間に浸透しました。

あらためてコロナで亡くなられた皆さまに哀悼の意を表します。また、徳洲会グループの法人や病院・介護施設などに物品などを寄贈してくださった個人、企業・団体の皆さまに、心より御礼申し上げます。そして日々、現場で感染の不安を抱えながらも勇敢に立ち向かっている全職員に心から謝意を表します。

20年6月28日に理事長を拝命後、68病院と4施設を訪問、責任感をもって職務を全うする職員の皆さんに直接声をかけました。わずかな時間でも対話を通じグループのつながりを感じていただきたいと思ったからです。

徳田虎雄・名誉理事長が〝生命だけは平等だ〟の理念の下、「いつでも、どこでも、誰でもが最善の医療を受けられる社会」を目指し、離島・へき地を含む全国各地に病院や診療所、介護施設などを展開し始めた徳洲会の黎明(れいめい)期から、グループとしてのガバナンス(統治)構築の時代を経て、今、徳洲会は社会的使命をより強く自覚し、発展していく時であると感じています。

徳洲会はその歴史のなかで、つねに「患者中心の医療」を目指し、その過程で得た答えの一つひとつが今日ある社会的使命なのです。

修復腎移植を強力に推進

コロナ禍でも地域の方々のために新築移転や増築を貫徹します。21年は4月に先端医療センターを開設、5月に長崎北徳洲会病院、7月に札幌南徳洲会病院、12月に鹿児島徳洲会病院が新築移転オープンする予定です。

医療従事者の「働き方改革」も進めます。ICT(情報通信技術)やAI(人工知能)などを活用した効率化は必須です。医療人の優しさや温もりを最大限生かせるように、テクノロジーやロボットにできることは、それらに任せます。システム化によってヒトとモノとの連携も構築していく考えです。

修復腎移植も進展します。宇和島徳洲会病院(愛媛県)副院長の万波誠先生らが臨床研究を開始してから約11年の歳月を経て、18年7月に先進医療として承認された修復腎移植は、体制を強化しスタートします。腎移植希望者は約1万3000人に上りますが、年間移植数は約1800例しかありません。移植までの平均待機期間は15年と長く、その間に多くの方々が亡くなっています。08年の「イスタンブール宣言」により、臓器移植は自国での自給自足が示されましたが、海外渡航移植に望みをつなぐ患者さんが後を絶たないのが現実です。この問題に光を照らすものこそ修復腎移植なのです。グループを挙げて全力で取り組んでいきます。

こうした社会的使命を果たすための成長と新たな展開を支えるのが経営です。医療法人徳洲会と医療法人沖縄徳洲会との合併が21年10月に実現し、経営の要である人的・物的資源と資金の調達を効率良く迅速に行うことが可能になります。

困難の先に希望ある未来

コロナは人との距離を取ることを強要しましたが、逆に生活や社会活動、精神の安定にとって、人とのつながりがいかに大切かを教えてくれました。職員の皆さんは徳洲会創設の精神、理念を行動基準とし、一丸となって患者さんや利用者さん、地域の方々のために邁進(まいしん)してください。現場はチーム力を発揮するとともに、各部会や一般社団法人徳洲会とコミュニケーションを緊密に取り合い、意思決定を迅速化し、効果的・効率的な行動や支援につなげてください。つねに改善という視点で良き習慣は伸ばし、悪しき習慣は改め、新しい叡智(えいち)を築いていくことが肝要です。病院・施設のリーダーはコロナ対応の不安と恐怖で傷ついた職員を気遣い労(いたわ)ってください。

徳洲会は1973年の創設以来、幾多の困難を乗り越えてきました。乗り越えた壁の向こう側には、必ず希望が満ちあふれる未来があります。皆で頑張りましょう。

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