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帯広病院 町の医介連携システム構築 多職種連携研修会が初会合

2021年(令和3年)10月04日 月曜日

帯広病院 町の医介連携システム構築 多職種連携研修会が初会合

帯広徳洲会病院(北海道)の棟方隆院長が会長を務める音更町医療・介護連携推進会議は8月31日、オンラインで第1回多職種連携会議を実施した。同町が昨年7月から本格運用を始めた多職種間の情報共有システム「バイタルリンク」の活用状況や利用方法を共有し、利用促進を図るのが目的。町内の医療機関や介護施設から約80人が参加した。

「顔の見える多職種連携を進めたい」と棟方院長

バイタルリンクは診療所医師や病院勤務医、訪問看護師、薬剤師、ケアマネジャー、介護福祉士などがパソコンやスマートフォン、タブレット端末から入力した情報を一元管理し、利用者がリアルタイムに確認、共有できるシステムだ。

文字で会話をするチャット形式での情報共有がメインとなり、画像や文書データの添付機能、脈拍や体温などバイタルサイン(生命兆候)のグラフ表示機能なども搭載。やり取りができるメンバーを限定し、患者さんや利用者ごとにネットワークを築くことも可能だ。急変への備えが目的であるため、対象患者さんは高齢者としている。

バイタルリンクの画面の例

棟方院長は「地域包括ケアシステムとは、重度の要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援を一体的に提供する仕組みです。このシステム構築で最も重要な課題は、医療と介護の連携だと考えます」とバイタルリンクの必要性を強調。

同研修では、まず同町保健福祉部職員がバイタルリンクの利用状況を報告。町内107事業所のうち58事業所、145人が登録。このうち実際に活用したことがあるのは45人にとどまっている状況を明かし、その理由として「システムが使いこなせない」、「入力が大変」などがあることを説明した。

「バイタルリンク」 棟方院長が活用強調

さらに、バイタルリンクの実際の活用事例として、多職種がかかわる認知症患者さんの服薬管理や日常の見守り、終末期に至るまでの多職種連携などに有効であると紹介し、「まずは登録してもらいたい」と呼びかけた。

棟方院長は「今までは各専門職に逐一、電話などで相談・報告していましたが、バイタルリンクを使えば、連携の円滑化、業務の効率化が図れると思います。患者さんが急変した時もリアルタイムで情報共有しておけば対応がスムーズにできます。医療・介護従事者の不足など課題はありますが、“顔の見える多職種連携”をさらに進め、地域包括ケアシステム構築を目指したい」と意気軒高だ。

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