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感動エピソード 重症から回復した小児に再会 元みどり徳之島病院看護師

2021年(令和3年)10月04日 月曜日

感動エピソード 重症から回復した小児に再会 元みどり徳之島病院看護師

懸命の診療を続ける医療現場では困難も多いが、感動の場面が生まれることもある。徳之島徳洲会病院(鹿児島県)の元(もと)みどり看護師(外来担当)が体験したエピソードを紹介する。

「3年ほど前、作業服姿の男性が4歳くらいのお子さんを抱きかかえ来院しました。見ると、お子さんの腕を包むタオルが血に染まっていました。慌てて医師を呼びました」(元看護師)

サトウキビの裁断機に誤って腕を置いた事故だった。右ひじから先が輪切り状に、ほぼ3等分に切れ、かろうじてつながっていた。日没後のため自衛隊ヘリで島外搬送。「搬送手続きに数時間もかかることを、この時初めて知りました。ヘリが来るまで、とても長く感じてやきもきし、祈る思いで待ちました」。

それから2年後、元看護師は骨折し同院でリハビリに励んでいた。「順番を待っていると、あの時のお子さんがリハビリを終え、お母さんと一緒に帰るところでした。お母さんが私に気付き『その節はお世話になりました。子どもの腕もこんなに動くようになりました』と、お子さんの腕を見せてくれました。うれしくなり胸が熱くなったのを覚えています」と振り返る。

元看護師は長年、心がけていることがある。「患者さんは不安を抱えて来院するため、不安が軽くなるよう『大丈夫ですよ、安心してくださいね』と、お声がけするようにしています」。

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