病気のはなし64 動悸息切れは心疾患サイン 狭心症
2021年(令和3年)10月04日 月曜日
病気のはなし64 動悸息切れは心疾患サイン 狭心症
心臓に酸素や栄養を送る冠動脈にコレステロールがたまり、動脈硬化が進んで血流が悪くなった状態を狭心症という。食事習慣や運動不足、喫煙などが主な原因の生活習慣病だが、「生活習慣はなかなか変えづらく、予防のしにくい疾患と言えます」と生駒市立病院(奈良県)の松浦泰彦副院長(循環器内科医)。
運動時などに5~10分程度、持続的な胸部圧迫感(胸痛)が起こるのが典型的な症状だが、なかには安静時に発症することもある。いずれにしても、ふだんからのちょっとした動作で動悸(どうき)・息切れが起こりやすい。高齢者に多い疾患だけに、その程度の症状は「よくあること」と放置されがちだが、狭心症は悪化すると冠動脈が完全に詰まる心筋梗塞になる可能性もある。
「心筋梗塞になると時間との勝負で、治療が間に合わなければ生命に危険が及びます」と松浦副院長は警告。
とくに今はコロナ禍で受診控えが進み、ちょっとした体調不良は見逃され、かなり悪化してから救急搬送されるケースも少なくない。夜間・休日は診療体制が十分でないこともあり、緊急時でもコロナ禍で入院したくてもできないこともあり得る。「コロナ感染症も怖いですが、心臓病のほうがより深刻で一刻を争うこともあります。動悸・息切れは狭心症をはじめとした心疾患のサインである可能性が高く、早めの受診をおすすめします」と松浦副院長は呼びかけている。