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川原・主任部長ら ダヴィンチ5用い膵臓手術 徳洲会で初めて施行し奏功

2025年(令和7年)10月27日 月曜日

川原・主任部長ら ダヴィンチ5用い膵臓手術 徳洲会で初めて施行し奏功

肝胆膵外科の(左から)数納祐馬部長、川原・主任部長、田中茉里子部長、山本寛大医長 ダヴィンチ5による膵臓手術の様子

湘南鎌倉総合病院は徳洲会グループで初めて、ダヴィンチ 5を用い膵臓手術を施行した。症例は膵神経内分泌腫瘍の膵体尾部切除術で、9月22日に実施。

膵臓は高度な手技を要する部位であり、最新機種のダヴィンチ5の活用で、より低侵襲かつ安全な手術が期待できる。川原敏靖・肝胆膵外科主任部長兼膵がんセンター副センター長は、「これまで膵臓の深部操作では、術者の感覚・視野ともに制約がありました。今回、ダヴィンチ5を用いたことで、一段階高いレベルでの繊細な手術が可能となりました」と力を込める。

昨年末にダヴィンチ Xiを用いた膵臓手術を始め、すでに7例を実施。今回導入したダヴィンチ 5は、フォースフィードバック機能や高解像度3D映像などを備えており、川原・主任部長は「膵周辺の細微な血管を捉え、かつ術中に手応えを感じながら繊細な操作ができたことが、安全性や精度を高めるうえで重要でした」と振り返る。手術時の出血量は約25mlとごくわずかで、合併症もなく経過は順調だ。

川原・主任部長は「まずは、より安全に手術を行えるよう、チームの習熟度を上げていくことが重要です。来年度には、さらに複雑な吻合操作をともなう膵頭十二指腸切除術にもダヴィンチ 5を適用していきたいです」と展望。

さらに「肝胆膵外科全体で後進の育成を進めると同時に、学会発表などを通じて、最新知見を国内外に発信していきたい。当院が掲げる“弱者を置き去りにしない”という方針のとおり、最先端の手術を特別な治療ではなく、誰もが安心して受けられる“当たり前の治療”にしていきたいです。技術の進展は、ただ新しいことを行うためではなく、患者さんの“安心”を支えるためにあります」と意気軒高。

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