TOPIC

第23回世界災害救急医学会 大地震発生後の高齢者対応テーマに 坂元・福岡病院部長がポスター発表

2025年(令和7年)06月30日 月曜日

第23回世界災害救急医学会 大地震発生後の高齢者対応テーマに 坂元・福岡病院部長がポスター発表

WADEMでポスター発表を行った坂元部長TMATの活動を紹介する展示ブース

NPO法人TMATの坂元孝光・福岡徳洲会病院総合診療科部長は5月2日から5日間、都内で開催された第23回世界災害救急医学会(WADEM2025)に参加し、ポスターセッションで発表を行った。また会場の一角にはTMATの紹介ブースの出展も行った。

坂元部長は24年元日に発生した令和6年能登半島地震での災害医療支援活動の経験をもとに、「高齢化社会における大規模地震発生後の福祉避難所における災害支援活動に関する報告」をテーマに発表。

TMATは発災直後から2月13日まで14隊94人をリレー形式で派遣し、主に輪島市内の避難所を活動拠点として延べ703人の診療を実施。坂元部長自身、先遣隊第4班として1月5日に現地入りし支援活動を行った。

坂元部長は「輪島市は高齢化率が46%を超えます。能登半島地震災害の特徴や避難所での医療活動、解決すべき課題などを明らかにすることで、今後想定される南海トラフ地震をはじめ、高齢化が進む社会でのさまざまな災害に対し効果的な準備が可能になると考えます」と発表の狙いを説明。

高齢者の方々に関しては口腔ケア、褥瘡管理、深部静脈血栓症(DVT)スクリーニング・管理、薬剤管理が医療的な課題であると指摘。そのうえで「避難所での生活が長期化することも多いため、高齢化が進む地域で災害が発生した場合には、亜急性期における二次避難が不可欠です。円滑に進めるため避難所での二次避難プロトコル(実施計画書)の策定が必要です」とまとめた。

発表を終えた坂元部長はTMATの活動に関して「経験豊富な隊員による研修プログラムやOJT(現任訓練)を充実させ、次世代の災害医療を担う人材育成に力を入れ、若手隊員が積極的に国内外の災害支援活動に参加できる機会を創出し、実践的な経験を通じて成長を支援します。災害医療に関する知識や経験を広く共有するため、講演会や研修会、情報発信などを積極的に行います」と展望する。

ページの先頭へ