歯科口腔外科オープン 鎌倉市歯科医師会にも加入
歯科口腔外科オープン 鎌倉市歯科医師会にも加入
「怖いイメージを減らしたい」と飯田部長
湘南鎌倉総合病院は歯科口腔(こうくう)外科を開設、外来診療をスタートした。飯田昌樹・同科部長、林雄一郎・同科医師の入職による。また鎌倉市歯科医師会にも加入。
7月26日から診療を開始し救急にはオンコール体制で24時間365日対応、外来は別棟1階に設置し、患者さんのプライバシー保護、感染制御の観点から、すべて個室(5室)とした。各部屋には飛沫(ひまつ)・エアロゾル吸引装置、患者さん用説明モニターを備え付け、放射線被ばく量の少ない歯科用コーンビームCT(X線の回転撮影による3D画像)も導入した。
一般歯科診療は行わず、口腔がん、顎変形症、顎顔面外傷、インプラント治療など口腔外科全般に対応する。飯田部長は「地域の基幹病院である当院に歯科口腔外科ができたことで、より地域医療に貢献できるようになると考えます。鎌倉市歯科医師会で、ご挨拶の機会もいただきました。今後も顔の見える連携をしていきたいです」と意気込む。
同科の重要な役割のひとつに、がん治療を円滑に進めるための支持療法がある。がん治療では、化学療法の副作用として口内炎ができたり、免疫力が低下して歯性感染症が発症したりすると、治療が止まることもある。そのため口腔ケア・管理(周術期等口腔機能管理)を、同歯科医師会と連携し精力的に取り組む。
院内に摂食嚥下(えんげ)支援チームも立ち上げた。これは多職種の協力の下、摂食嚥下障害の評価や摂食嚥下機能訓練の立案などを通じ、誤嚥(ごえん)や低栄養を予防し早期退院を図るのが目的。飯田部長は「口腔ケアに加え、リハビリテーションや栄養サポートなどを有機的に実施することが重要です」。
同科開設にあたり飯田部長は「口の中の診察や治療は怖い、不安という患者さんが多いと思います。そのような心配を少しでも和らげるように、笑顔や処置中の声がけなど“優しい”口腔外科医でありたいと思います」と笑顔を見せる。