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令和6年能登半島地震 TMATが正月から災害医療活動 続々と徳洲会グループ病院の隊員出動

2024.01.17

令和6年能登半島地震
TMATが正月から災害医療活動
続々と徳洲会グループ病院の隊員出動

国内外で災害医療支援活動に取り組むNPO法人TMAT(徳洲会医療救援隊)は、元日に発生した令和6年能登半島地震発災直後から活動を開始、とくに被害が大きい地域のひとつ、石川県輪島市で医療支援を継続している。これまでリレー形式で先遣隊4チーム、本隊3チームを派遣し、合計34人の隊員が現地で活動。これまで403人を診療、避難所の運営支援にも尽力している。すでに後続の本隊派遣も決定しており、長期にわたって支援する方針だ。11日時点までの活動を紹介する。(小紙特派員:小松原史仁)

活動拠点の輪島市ふれあい健康センター。3階建てで最大700人程度の避難者を受け入れ

令和6年能登半島地震は元日の午後4時10分に発生。石川県能登地方で最大震度7を記録し、家屋の倒壊や焼失、津波による浸水などで甚大な被害をもたらしている。内閣府によると、11日時点で死者200人超、負傷者500人超、避難者2万6,000人超とされているが、いまだ被害状況の全容は明らかになっていない。

とくにライフラインへの影響が大きく、地域によっては断水や停電が続き、各地にアクセスするための道路も陥没や沈下、地割れ、土砂崩れなどでスムーズに通行できず、支援や復旧が遅れる原因となっている。積雪で道路の状態が見えなくなれば徐行もできないなど、天候の影響も大きい。

こうしたなか、TMATは発災直後に緊急災害対策本部を立ち上げ、先遣隊の派遣を決定。1日午後11時に第1班として隊員4人が現地に向け救急車両で出発した。翌2日には第2班3人、3日に第3班3人、5日に第4班6人と、各地から隊員が出動した。

活動拠点の近くには災害の生々しい爪痕が残る

大規模火災が発生した輪島朝市通り

施設内を巡回し避難者の体調に気を配る

リレー形式で最多18人の隊員が現地に集結

第1班は翌2日に石川県庁を訪れた後、DMAT(国の災害派遣医療チーム)活動拠点本部がある七尾市の能登総合病院に到着。輪島市に向かう道路状況の確認を依頼され、車で向かったが、悪路のため通常1時間程度で行けるところを5時間以上要した。同本部に状況を報告した後、輪島市役所職員から避難者の健康状態のアセスメント(評価・分析)要請を受け、市役所周辺に点在する避難所の巡回と情報収集を開始。

他の避難所に比べ規模が大きい輪島市ふれあい健康センターでの医療ニーズが高いと判断し、同センターを活動拠点にすることを決めた。

3日に能登地方の別の場所で情報収集を行っていた第2班と第3班が金沢市で合流。同日、同センターの一角に仮設診療所の開設許可を得たことで、TMAT事務局は本隊の派遣を決定した。本隊も各地から順次派遣し、これまでに3チームが現地で活動。各チームは1週間を目安に帰任、後続チームにバトンをつなぐリレー形式で支援を継続している。

機動力・対応力に驚きの声

TMATは診療面だけでなく避難所の運営もサポート。同センターに立ち上げた仮設診療所を中心に、救急を含め24時間体制で診療にあたるのはもちろん、できるだけ効率的な運用ができるように、施設内の環境整備にも尽力している。

同センターも断水が続き手洗いや入浴ができないことから、清掃やゾーニング(区域分け)を行い、感染予防に努めるとともに、要介護者の専用スペースを設けて迅速に支援できるように工夫。発災から1週間ほどが経過し、施設内で感染症が増えてくると、すぐにゾーニングを変更した。

支援に入っている同センターや市役所の職員、地元診療所の医師らの負担軽減にも努めている。仮設診療所の当直とは別に、毎日、午前0~4時は避難者を巡視する職員の代わりを務めたり、昼夜問わず、施設内を巡回して避難者の体調を確認したりした。近隣の避難所の巡回診療も継続した。

夜間には駐車場を巡回し、車中泊の方にも配慮。声をかけ、エコノミークラス症候群(静脈血栓塞栓症)や一酸化炭素中毒を防止するために、弾性ストッキングの案内や車両のマフラーチェックを行った。

TMAT理事で先遣隊第1班の髙力俊策・湘南藤沢徳洲会病院(神奈川県)院長補佐は「現地では、行政職員や地元の医療従事者の方々が自らも被災者でありながら、不眠不休で避難者の方を支えていました。TMATは、こうした方々をサポートする役割も担っています」と強調する。

初めて段ボールベッドが届いた時も、予定より大幅に遅い時間だったが、すぐに組み立て、避難者の一部に提供。最後に隊員が一列に並び、代表して坂元孝光・福岡徳洲会病院総合診療科部長が「これからも頑張りますので、今後もよろしくお願いいたします。ご協力ありがとうございました」と挨拶すると拍手が起こった。

こうした支援は各関係者と連携して実施。毎日、同センターでは保健師らと、市役所では設置された医療調整本部でDMATや他の支援チームと情報共有・意見交換を行っている。

同市健康福祉部子育て健康課の村田悦子・統括保健師は「TMATの機動力・対応力に驚いています。発災から1週間が経過し避難所運営のフェーズが変わっても迅速に対応いただいたり、他の団体との調整もうまく行っていただいたりと、本当に心強く感じています。いろいろな職種の方が来てくださることも助かっています」と謝意を表す。

地元の小浦友行ごちゃまるクリニック院長は、先遣隊第1班で最も長く滞在した久保健一・湘南大磯病院(同)看護師長が帰任する際、「皆様がすぐに来てくださったおかげで本当に……」と切り出すと、涙で言葉を詰まらせた。

坂元部長は今回の災害について「恐らくアクセスの問題があるのかもしれませんが、今まで経験した支援よりも復興のスピードが遅い。また、高齢者が多いことも感じます」と指摘。今後もTMATは支援を継続。12日時点で事務局は本隊第4、5陣の派遣を予定している。なお、徳洲会グループではDMAT隊員として支援に入っている病院も複数ある。先遣隊第3班に同行し、メディア・メトルの松井秀裕プロデューサーが単身、取材・撮影を敢行した。

DMATとのミーティングに臨む福岡病院の坂元部長(右から3人目)ら

仮設診療所では24時間体制で診療

診療看護師の知識・技術を生かし相談に対応

小浦院長と涙を流し再会を約束する久保・看護師長(左)

理学療法士がラジオ体操を実施。避難者から好評で午前と午後に館内放送で習慣化

夜間も救急搬送に対応

施設職員の休憩を確保するため午前0~4時は隊員が代行

航空自衛隊員の協力も得て段ボールベッドを一緒に組み立てるTMAT隊員

車中泊の方にエコノミークラス症候群など注意喚起。

排気が逆流していないかマフラーを確認する神戸徳洲会病院の東・救急救命士

感染症が増え施設内の地図を見ながらゾーニングを検討

能登半島地震の被災者支援 クラファンを実施中!!!

TMATは令和6年能登半島地震の被災者への緊急医療支援を行っており、これまでに先遣隊4チーム、本隊3チームの合計34人を派遣、今後も継続して災害医療活動を実施していく予定です。

現在、活動に必要な医療物資などの購入費用、隊員の現地までの移動費用や現地滞在費用、被災地への物資支援などに対する寄付金を募集しています。ご支援、ご協力をよろしくお願いいたします。

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