日比野・湘南藤沢病院部長 徳洲会挙げ新型コロナ研究 最大3万例のデータ解析へ
2023.12.06
日比野・湘南藤沢病院部長
徳洲会挙げ新型コロナ研究
最大3万例のデータ解析へ
「大規模研究でCOVID-19診療の向上に貢献」と日比野部長
湘南藤沢徳洲会病院(神奈川県)の日比野真・呼吸器内科部長は「COVID-19患者を対象とした前向き観察研究」をテーマに講演した。
新型コロナ感染症(COVID-19)に対する抗ウイルス薬は、レムデシビルなど複数あるが、国産のエンシトレルビル(商品名:ゾコーバ)のみがオミクロン株流行後かつワクチン接種者を対象とした治験を経て承認された。
日比野部長は「エンシトレルビルは急性期症状やウイルス力価の有意な減少、LONG COVID(新型コロナ後遺症)発現リスクの減少などを期待できる薬ですが、重症化予防やLONG CO-VID発現リスク低減に関する日本人を対象とした大規模データがないのが現状です」と説明。
そこで徳洲会はCOVID-19診療の向上に貢献するため、グループのスケールメリットを生かし、大規模データを集積・解析してエビデンスをつくるための前向き観察研究の実施を決めた。
「コロナ患者さんを積極的に受け入れている徳洲会グループだからこそ可能な大規模研究であり、その成果を世界に向けて発信することには非常に大きな意義があります」
研究代表医師は日比野部長が務め、75病院による多施設共同研究とし、治療法別に急性期の臨床経過や、発症後3カ月までの重症化および罹患後症状の頻度などを評価・検討する。目標症例数は2万例(最大3万例)で、うち1万例以上はエンシトレルビルなど抗ウイルス薬投与例。24年1月開始予定だ。