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世界トップレベルの腎移植 徳洲会全体で実現呼びかけ 田邉・湘南鎌倉病院センター長

2023.12.06

世界トップレベルの腎移植
徳洲会全体で実現呼びかけ
田邉・湘南鎌倉病院センター長

「質の高い腎移植には豊富な経験が必要」と田邉センター長

湘南鎌倉総合病院(神奈川県)の田邉一成ロボット手術・臓器移植センター長兼泌尿器科統括部長兼院長補佐は「世界トップレベルの腎移植を湘南鎌倉から徳洲会グループ全体へ」と題し講演した。

まず腎移植の歴史や治療を簡単に紹介。1954年に米国で初めて生体腎移植が成功し、約70年が経過するなか治療技術や薬剤の進歩などで現在は飛躍的に成績が良くなっていることを説明した。また、多職種によるチーム医療の実践が重要な点を指摘した。

そのうえで自院の腎移植に言及。2012年に開始する前に同院医師が、田邉センター長が当時勤務していた東京女子医科大学病院で研修を受けたこと、これまで約200例行い、1年生着率(移植した腎臓が機能している患者さんの割合)98%、10年生着率95%と非常に良好な成績であること、田邉センター長が湘南鎌倉病院に入職した昨年10月以降は年間40例超を実施していることなどを示した。術前から術後までの各体制も説明し、近隣のグループ病院と連携しながら遠方の患者さんにも対応できる環境もアピールした。

また、手技や免疫学的に難しく、他施設では断られるような症例も受け入れている点を強調。例としてドナー(臓器提供者)とレシピエント(臓器受給者)で血液型が異なる、ドナーに対する抗体がレシピエントにある、ドナーとレシピエントが共に高齢、腎移植歴のある患者さん、宗教上の理由で輸血ができない患者さんなどを挙げ、いずれも安全に移植を行い、成績も良好であることを強調した。

こうした質の高い腎移植を実施するベースとして、田邉センター長は「豊富な経験が必要です。きちんとした移植を行うには適切なリスク管理が欠かせません。術後に思わぬ合併症などを引き起こす可能性があるからですが、きちんとリスクを管理するには移植に携わる医療者の経験が大事です」と、あらためて良いチームづくりの重要性を説いた。

アフリカのタンザニアでの腎移植支援も紹介し、最後に今後の方向性を示唆。来年は年間100例超の腎移植を行い、国内トップクラスの年間症例数を目指すこと、医療スタッフを育成し徳洲会全体に腎移植を広めることなどを掲げ、グループ病院幹部に対して腎移植を必要とする患者さんの紹介を求めるとともに、若手医師への教育を約束した。

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