「ダヴィンチ」胃がん手術奏功 より安全に合併症なく 宇治病院
2023.08.30
「ダヴィンチ」胃がん手術奏功
より安全に合併症なく
宇治病院
宇治徳洲会病院(京都府)は内視鏡手術支援ロボット「ダヴィンチ」による胃がん手術の1例目に奏功した。同院は4月に日本胃癌学会の「認定施設B」を取得。さらにロボット手術も導入することで、より安全に合併症なく手術を終え、速やかに退院できるように診療機能を強化。症例数を重ね、より地域に信頼される病院を目指す。
ダヴィンチによる胃がん手術の様子
近年、ピロリ菌感染率の急速な低下により、日本での胃がん罹患率が低下。そのため、胃がんの腹腔鏡下手術を経験できる症例数も減少し、若手医師の育成が困難になっている。
こうした状況をふまえ、手術を担当した橋本恭一・外科部長は「腹腔鏡下手術では、助手もスコピスト(カメラ持ち)も慣れていないと、思ったとおりの手術ができないことが多いのですが、ロボット手術であれば、4本のロボットアームを手振れすることなく自分で動かせるので、正確に手術することができます」とメリットを説明する。
カメラの性能にも触れ、「3D画像は鮮明で拡大もできるので、手術時の没入感がすごいです」と強調。また、胃がん手術の合併症として多く見られる膵液瘻(膵液が一時的に漏れる状態)が、ロボット手術では減少するという研究もある。
今後は、4月末に導入した外科手術支援ロボット「Hugo RAS System」を胃がん手術に活用することを検討している。