徳之島病院 PCIライブ初実施 離島医療レベルアピール
徳之島病院
PCIライブ初実施
離島医療レベルアピール
PCIを行う田代副院長(右)と解説する齋藤センター長(左から2人目)
徳之島徳洲会病院(鹿児島県)は7月22日、PCI(経皮的冠動脈形成術)ライブを実施した。治療の様子を解説しながらWEBでライブ配信する取り組みで、同院初の試み。当日は田代篤史・副院長兼循環器内科部長が執刀し、湘南鎌倉総合病院(神奈川県)の齋藤滋・心臓センター長がかたわらで解説した。配信を通じ、同治療にかかわる医療従事者の技術向上や同治療の普及が狙い。ライブはPCIの普及・啓発に取り組む団体で、齋藤センター長が代表を務めるティー・アール・アイ国際ネットワークなどが共催した。
ライブでは、田代副院長が狭心症の患者さんの治療を始めると、齋藤センター長がモニターを見ながら、カテーテルの進行方向やステント(網目状の金属の筒)の留置位置などについて質問したり、手技の難所を指摘したりした。治療は無事終了。その後、今回の企画をサポートした医師(徳洲会グループ外)3人が加わり、5人でのディスカッションを実施。それぞれ現場で行っているPCI治療について情報や意見を交わした。
そのなかで、田代副院長がPCIを年間100例手がけていることを明かすと、サポートした医師から「離島でそれだけの数ができることは驚きです」と称賛する声が上がった。
ライブは約30人が視聴。徳之島病院の会議室でも視聴できるようにし、スクリーンを見ながら熱心にメモを取る職員の姿が見られた。
配信終了後、齋藤センター長は「ライブを通じて、離島でもPCIなど高いレベルの医療が提供できることを広め、離島医療に興味をもつ人材を増やしたいと考えています」と企画の意義を強調。
田代副院長は「いろいろな方に治療を見られている緊張感はありましたが、齋藤センター長のアドバイスも得ながら無事に終わり、ほっとしました」と笑顔。すぐに視聴者から感想が寄せられたことを明かし、「私自身のモチベーションアップにもなりました。今後もライブ配信を行ってスキル向上を図り、地域医療に貢献していきます」と意気軒高だ。