仙台病院 ダヴィンチ手術に奏功 上行結腸がんに対し1例目
仙台病院
ダヴィンチ手術に奏功
上行結腸がんに対し1例目
「ダヴィンチは地域のなかで大きな差別化になります」と神賀部長
仙台病院は昨年末に最新機種の「ダヴィンチXi」を導入、消化器外科での初症例に向け、多職種でシミュレーションを重ねていた。1例目の患者さんを慎重に検討していたところ、消化器内科を受診した患者さんに上行結腸がんが見つかり、ダヴィンチによるロボット手術を選択した。
担当した神賀貴大・外科部長は「腫瘍が大きく、過去に手術既往があったため腹壁への癒着が心配でしたが、患者さん自身が早めの手術を望み、ロボット手術への強い関心がありましたので、提案しました。結果的に腹壁への癒着は軽度で、手術自体も無事に終了しました」と経緯を説明。
1例目直前に多職種でシミュレーション訓練
ダヴィンチの操作性に関し、「ロボットアームは人の手では困難な屈曲や回転が可能なため、鉗子操作の自由度が高く、クオリティーの高い手術ができました。また視野も腹腔鏡下手術では見えなかったものが見える感覚で、手術しやすかったです」と強調する。
同院では、この後も結腸がんの症例を重ねていく考え。ただし、S状結腸の手術は上行結腸とは逆側にダヴィンチを配置するなど、部位によってアプローチが変わるため、事前にどんなケースでも対応できるようにシミュレーションしておくことが重要。患者さんの動線や機器の配置は手術室看護師が考えるが、チーム内で役割分担をし、チームとして成熟することで、より安全でスムーズな手術を目指す。
神賀部長は「私自身はなるべく毎日、シミュレーターを用いダヴィンチの訓練を行い、研鑽しています」とアピール。「当院にダヴィンチがあることは、地域のなかで他院に対し大きな差別化になり、単科での運用のため現状では短い待ち時間でロボット手術を受けられるのもメリットだと考えます。紹介患者数アップや医療者のリクルートにもつなげていきたいです」と意欲的だ。