臨床研修指導者養成講習会研修医に対する指導力を向上 社徳が成田富里&福岡病院で開催
臨床研修指導者養成講習会研修医に対する指導力を向上
社徳が成田富里&福岡病院で開催
受講者は最後に「明日からの指導で心がけること」を発表
講習会はこれまで26回開催した。第27回を昨年10月21、22日に成田富里病院、第28回を今年2月25、26日に福岡病院で開催。2会場で合計44人の医師が参加した。
2日間のプログラムは、アウトカム(到達目標)を意識した教育をはじめ、必修となった一般外来研修を有効な学びの場とするための教育、研修医の主体性を引き出すフィードバックやコーチングのスキルなど、20年度に改定された新医師臨床研修制度に基づく内容で構成。社会的にも関心が高まっている「働き方改革」や「医療安全」に関する内容も盛り込んだ。
より良い臨床研修を行うために活発に議論する
コースディレクターは大隅鹿屋病院(鹿児島県)の田村幸大副院長(徳洲会グループ研修委員会委員長)。講師などサポートしたメンバーは八尾徳洲会総合病院(大阪府)の髙原良典・研修プログラム責任者(徳洲会グループ研修委員会副委員長)をリーダーに、熊本大学病院の佐土原道人・地域医療・総合診療実践学寄附講座特任助教、羽生総合病院(埼玉県)の髙橋暁行副院長、中部徳洲会病院(沖縄県)の仲間直崇・消化器内科部長、宇治徳洲会病院(京都府)の自閑昌彦・心臓血管内科医長と我如古理規・外科医長。
初日はWSで、「指導医として必要な資質・能力」を議論したり、講義やロールプレイ、グループワークを通じ医師臨床研修制度の変遷と改正ポイント、臨床研修プログラムのリフォームと効果的な運用、外来での1分間プリセプティング、臨床推論を引き出すプレゼンテーション指導、“医療の専門家”として研修医の主体的な成長を促す指導、臨床現場での評価スキルなどを学んだりした。
医療安全と労務管理をテーマとする講義も行い、ケアレスミスが生じる研修医特有のリスク、指導医が知っておくべき労働基準法、国が進める「働き方改革」などについて解説した。
2日目も引き続き臨床研修プログラムのリフォームと効果的な運用について議論するとともに、コーチングやフィードバックなど効果的な指導に役立つ各技法について知識を深めた。最後に受講者がひとりずつ「明日から研修医を指導する際に実行したいこと」を紙に記して発表。全員に修了証書が贈られた。
田村副院長は「最近の受講者層は新医師臨床研修制度で研修してきた先生方。実体験に基づいて今の臨床研修を良くするための意見が聞けたのは良かったです」と笑顔。
ただし、「そういうなかでも“Z世代”と言われる先生方との接し方で悩んでいる様子もうかがえ、私も勉強になりました」と振り返り、「いろいろなスキルや知識を日々生かし、良い指導者になってほしい」とエールを送った。