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札幌東病院 脳死下臓器提供2例目実施 臓器提供施設連携体制構築事業に参加

2023.03.30

札幌東病院
脳死下臓器提供2例目実施
臓器提供施設連携体制構築事業に参加

札幌東徳洲会病院は脳死下臓器提供の2例目を実施した。2019年5月に1例目を実施した後、コロナ禍でいったん中止していたが、22年末に再開し、あらためて院内体制を整備。今年2月に60代男性から、ドナー(臓器提供者)として両肺と肝臓の提供があった。

2例目実施後に院外コーディネーターを招き振り返り 定期的に臓器提供委員会を開き院内体制を整備

患者さんは1月に救急搬送、その日に大動脈解離の手術を実施した。手術自体は成功したが、その後、合併症で脳梗塞を発症。できる限りの医療対応をしたが、改善の見込みはなく脳死状態になった。本人からの意思表示はなかったが、家族から強い希望があり、2月に入り脳死判定後、臓器提供を行った。

同院では、1例目を実施した後も定期的に臓器提供委員会を開き、マニュアルや手順書の見直し、院内コーディネーターの補充、検査室の脳波測定体制の強化などを実施していた。また22年9月に、北海道大学病院を拠点とする臓器提供施設連携体制構築事業に参加。同事業からの紹介で、集中治療室(ICU)に勤務する医師や看護師が、Vital Talk研修(生命の危機が迫る患者・家族との会話スキルを学ぶ)を受けるなど体制整備を進めた。

院内コーディネーターの渡邉綾・副看護部長は「ICUスタッフが現場レベルで、事前にご家族の思いを聞き、それを元に院内コーディネーターが確認するという介入方法がスムーズに取れました。また、北大病院の医師に脳波読影の相談ができたのも良かったです」と振り返る。

山下悟史・総務課課長補佐は「Chatis(徳洲会グループチャットアプリ)を活用することで、委員会内の連絡が円滑に取れました。メールでは過去の連絡が埋もれがちですが、Chatisでは時系列を追いやすかったです」と強調する。

2例目実施後、院外コーディネーターも招いて臓器提供委員会を開き、振り返りを実施。良かった点や改善点を共有し、今後の動きを確認した。今後も同院では、患者さんや家族の思いに応え脳死下臓器提供に対応していく。

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