宇治・湘南鎌倉・岸和田病院 PSCコア施設に認定 地域での脳卒中治療の中核施設
宇治・湘南鎌倉・岸和田病院
PSCコア施設に認定
地域での脳卒中治療の中核施設
コア施設の認定を「素直にうれしい」と喜ぶ村井・主任部長
宮﨑部長は「しっかり役割を果たしたい」と力を込める
松本副院長は「相談窓口で社会復帰の支援なども行いたい」
脳卒中は脳梗塞、脳出血、くも膜下出血の総称。治療には、専門性だけでなく、発症から治療するまでの迅速さが求められる。その対応施設をわかりやすくするために、日本脳卒中学会が2019年に認定を開始したのがPSCだ。
PSCは、24時間365日、脳卒中や脳卒中疑いの患者さんを受け入れ、速やかに診療が開始できる施設。一定の基準が設けられており、診療には2005年から日本でも行えるようになったt-PA(急性期の脳梗塞に対し血栓を薬で溶かして血流を回復する治療法)が含まれる。
PSCコア施設は、地域で一層中核的な役割が求められるPSC施設。PSCに認定されていることはもちろん、主に血栓回収療法に関する基準が設けられている。同療法は、カテーテルを用いて血栓を直接回収する治療法で、t-PAよりも治療効果が高い。近年、いろいろなタイプの回収機器が開発され、注目を集めている。
コア施設の基準は、血栓回収療法が常時対応可能な点や、同療法の治療実績、関連する専門医の配置など5項目。そのひとつには、脳卒中に関する相談窓口の設置も求められている。
今回、徳洲会グループでコア施設に認定されたのは宇治病院、湘南鎌倉病院、岸和田病院の3施設。宇治病院は、村井望・脳神経外科主任部長を筆頭に、関連の専門医が常勤で6人在籍し年間40件ほどの血栓回収療法を実施している。「血栓回収療法は、人手が必要ですし、多職種によるチーム医療も求められるなど、ある程度の規模でないと行えません。そういうなかでコア施設に認定されたことは素直にうれしく思います。緊急に治療できる体制ができており、コア施設としての役割を果たしていきたい」(村井・主任部長)。
湘南鎌倉病院は宮﨑雄一・脳卒中診療科(脳血管内外科)部長を筆頭に、院内に4人の専門医が在籍。年間でt-PAは40~50例、血栓回収療法は80~100例を手がける。「当院は救急患者さんが多いので、t-PAや血栓回収療法を行う機会は多いです」と宮﨑部長。「スタッフ一同、地域の中心施設として、その名に恥じない役割を果たしたいと思っています。より良い治療をひとりでも多くの方に提供していきたいです」と意欲を見せる。
岸和田病院は松本博之・副院長兼脳神経外科部長をはじめ、コア施設の基準に定められている専門医が常勤で3人在籍。血栓回収療法は年間30例程度行っている。現在は相談窓口に関する体制や業務マニュアルを整備中だ。
「引き続き、できるだけ最新の治療を取り入れながら患者さんの負担が少ない治療を提供していきたいと考えています」と松本副院長。相談窓口にも触れ、「治療の相談はもちろん、社会復帰支援なども行っていきたい」と意気軒高だ。