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湘南藤沢病院 高周波脳凝固術を開始 グループ唯一の振戦治療

2023.01.30

湘南藤沢病院 高周波脳凝固術を開始
グループ唯一の振戦治療

術中に患者さんを覚醒させ治療効果や合併症を確認

湘南藤沢徳洲会病院(神奈川県)は本態性振戦の患者さんに対し、初めて高周波脳凝固術(RF)を行い奏功した。RFは脳に細い電極を入れ、先端の温度を上げて患部を熱凝固する治療法。RFを実施している施設は日本でも数少なく、徳洲会グループでは同院のみ。

同様の治療に、同院も実施しているMRガイド下集束超音波治療(MRgFUS)があるが、これは頭蓋骨密度が低いと患部の温度が上がりきらず、治療効果を得られないことがある。一方、RFは患部を直接電極で焼灼するため、確実に熱凝固できる。また、MRgFUSは生涯で1回のみしか保険適用されないが、RFは何回でも保険適用され、片側を治療した後、反対側を治療したい時などにも対応できる。

RFは頭蓋骨に小さな穴を開けた後、電極を埋め込み、まず試験的に電気刺激を実施、効果と合併症の有無を確認してから、出力を上げ本番の焼灼をする。山本一徹・機能的神経疾患センター長は「手術は局部麻酔で行いますが、病院によってはすべて覚醒下で行うこともあります。しかし、それでは頭蓋骨にドリルで穴を開ける工程など、患者さんのトラウマ(心的外傷)になることもあります」と指摘。

そこで事前に、福井公哉・麻酔科部長に手術麻酔について相談し、鎮静の後、必要なタイミングでリバースする(鎮静状態から元に戻す)方法があると提案された。「おかげで頭蓋骨に穴を開ける工程は鎮静下で行えたため、スムーズに進めることができました。患者さんご自身も、非常に楽だったと喜んでおられました」(山本センター長)。

また、片側をMRgFUSで治療した後、反対側をRFで治療する場合、合併症を出さないためには通常よりも焼灼する範囲を小さくしたり、位置をずらしたりする工夫が必要となり、経験がないと判断が難しい。山本センター長は「患者さんにとって、いろいろな選択肢を提示できるのは当センターのメリット。さらに豊富な経験から、さまざまな治療に対応できます。振戦などで困っている方の助けになりたいです」と意欲的だ。

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