新たなる共感と平和な年になるよう願う
新たなる共感と平和な年になるよう願う
福田 貢(ふくだこう) 医療法人徳洲会 副理事長 八尾徳洲会総合病院(大阪府) 総長
例年のことながら大晦日から正月三が日にかけ、現場で業務にあたられた職員の皆様、誠にありがとうございます。
かねてよりCOVID-19に対するワクチン接種が励行され、感染患者数の減少には至らぬものの、重症化率、死亡率の逓減が得られています。結果、2020年に私たちが共有した恐怖心は少なからず緩和されました。しかし未だ第2類相当の位置付けは変わらず、病院および施設内でのクラスター発生は病床逼迫を招来します。23年も引き続き感染防御のための施策を継続してまいりましょう。
安富祖久明・前理事長(現・最高顧問)は「原点回帰」という言葉を繰り返されました。これは徳洲会創設者の徳田虎雄・名誉理事長と、組織を支えた人々が思いを共にする過程で、結果的に共有された創業時の精神と、同時に併存したであろう異心も含め、その履歴をたどり、そこから学ぶ必要性を説かれたものでした。それは同時に、個人に内在する不誠実と怠惰への警鐘のようにも聞こえました。
東上震一理事長は原点回帰の方針を踏襲、22年秋に、まず離島・へき地での循環器内科診療実動のため医師派遣を提案。これを受け九州1病院、関西3病院、関東2病院から派遣が実現、実務が開始されました。こうした機会に現場での仲間意識、あるべき組織像の共有がなされることが、東上理事長の願いであると理解しています。
派遣先、派遣元共にお互いの気遣いが必須となりますが、この計画が実を結ぶことで、派遣先での新たな人間関係が誕生し、個々人の相互理解が組織を強化して個人の成長にも寄与できますように。“他者の心の内に思いを馳せてみよう。困惑にあれば静かに助け合おう。仲間なるが故に”。皆様と、こうした思いを共有したいと思います。新たなる共感の年になることを願いつつ、平和な年でありますように。