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“徳洲会の社会運動”への貢献が人を育む グループ間の支援・人材交流を積極的に 強固な協力関係の構築こそが明日を約束

2023.01.06

“徳洲会の社会運動”への貢献が人を育む
グループ間の支援・人材交流を積極的に
強固な協力関係の構築こそが明日を約束

東上 震一(ひがしうえしんいち) 一般社団法人徳洲会 理事長東上 震一(ひがしうえしんいち) 一般社団法人徳洲会 理事長

年頭にあたり、未だ残るコロナ禍のなか、全職員の医療・介護・福祉に対する真摯な努力に感謝の意を表します。本当にありがとうございます。

新年を迎えました。職員の「あけましておめでとうございます」の紋切り型の挨拶に対し「何がめでたいのか」と反問された徳田虎雄・名誉理事長の365日・24時間、命懸けの張り詰めた生き方を想います。病に苦しむ人に“正月”という安逸がないのと同様、“生命だけは平等だ”の理念の下、最善の医療を受けられる社会の実現を目指す徳洲会の理事長にも、安逸の時はないとの自戒を込めて、名誉理事長のこのエピソードを思い出しました。

島内完結型医療を追求

12月11日、徳之島徳洲会病院の新築移転地鎮祭が催されました。驚くほど晴れわたった青空の下、白波立つ太平洋と、徳田虎雄顕彰記念館に相対するこの地に峻立するであろう新・病院に思いを馳せました。37年前、同院開設時、島の皆さんは奇跡だと、驚きの声を上げられたと聞きます。再びの奇跡を徳田・名誉理事長の意を受け継ぐ私たちで成し遂げます。理事長になる前に安富祖久明・前理事長(現・最高顧問)の配慮で2カ月というわずかな期間でしたが、同院院長として過ごす貴重な時を得ました。梅雨時に煙る早朝の海を眺めながら、昔、この大洋の向こうへ行きたいと願った幼少の名誉理事長を思いながら、自分と徳洲会の未来を考えました。

「東雲の 亀津の沖を過ぎし船 我一人立ち明日を想う」

たとえ再び島の皆さんが驚くような病院をつくっても、奄美群島の徳洲会病院群を取り巻く医療状況に大きな変わりはないのが現実です。救命のための島外搬送は、一方で島の皆さんに経済的負担を強いるものでもあります。ドクタージェット機の非経済性を論うより、それを活用して離島に医療を届ける努力を行い、できる限り島内完結型医療を追い求めたいと考えています。また離島・へき地への支援の活発化、具体的には庄内余目病院、名瀬徳洲会病院への循環器スタッフの派遣と交流をぜひお願いいたします。

沖縄ブロックを模範に

“組織はリーダーの器以上に大きくはならない”という言葉があります。以前開催された若手院長・副院長研修でも耳にし、心に残った言です。当時の徳洲会に対する強烈な皮肉であったのか、一般的な組織論の延長線上での発言なのか、その真意は定かではありませんが、今の私には身につまされる言葉でもあります。

ただ、多くの人が言葉を引用する組織論の神様、P・F・ドラッカーは遺作で「人は要求のレベルに応じて成長する。組織は個としての生身の人間の限界を乗り越える手段である」と述べています。リーダーの資質に組織の有様が規定されるのは一面の真実ではありますが、このドラッカーの箴言に従えば“徳洲会の社会運動”への圧倒的な貢献が人を育て、人としての限界を超克し得ることになります。沖縄ブロックの仲間が示す徳洲会への貢献(与論・沖永良部・石垣島・宮古島病院と沖縄本島の北谷病院を助ける姿)は、私たちが模範とすべきものです。最も難しい院長人事をも含める医師人事への対応は、決して容易なものではないはずです。徳洲会の中核病院を預かるリーダーの皆さんには、このことを十分理解していただきグループ間の支援、人材交流に取り組んでいただきたいと思います。

具体的には関西ブロックは岸和田・八尾・宇治病院が中心となり奄美群島、屋久島、種子島の仲間を、関東ブロックは湘南藤沢・湘南鎌倉・千葉西病院が東北ブロックを担い、北海道ブロックは札幌・札幌東病院が同ブロック内の仲間をみる――こうした強固な協力関係をつくり上げていくことが明日の徳洲会を約束すると考えます。全職員はもとより、ブロックを預かるリーダーの皆さんと力を合わせ、徳洲会の未来をつくっていきたい。

あらためてリーダーの皆さんには、徳洲会グループへのさらなる貢献、献身をお願いいたします。皆で頑張りましょう。

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