徳洲会体操クラブ ★15年ぶり団体日本一★ 全日本体操団体選手権
徳洲会体操クラブ
★15年ぶり団体日本一★
全日本体操団体選手権
表彰式を終え選手とスタッフ(後列右から4人目が杉野主将、前列右から4人目が米田監督)
全日本体操団体選手権は現在、1チーム6選手がエントリーし、各種目を3選手ずつ演技、チームの総合点を競う。米田監督は「大会前日の本会場での練習を終えるぎりぎりまで悩んだ」末、杉野主将、髙橋一矢、春木三憲、北園丈琉、松見一希、カルロス・ユーロの6選手で本番に臨んだ。
表彰式で互いにメダルをかけ合う選手たち
1種目目のゆかの開始前には円陣を組み、気合を入れ出陣。トップバッターの杉野が着地をピタリと止め、14.333をたたき出すと、松見、カルロスも14点台をマークする好発進となった。続く、あん馬でも北園が力強い演技で14点台をキープ。3番手の杉野は14.733の高得点を出し、演技終了後には自らとチームを鼓舞するかのように、「シャー!」と雄叫びを挙げ右腕を突き上げた。その後も終始、安定した演技を見せ18演技中16演技で14点台をマーク。気付けば一度も首位を譲ることなく大会を終えた。
美しい演技を披露する杉野主将
平行棒で北園はダイナミックな演技を披露
得意のゆかで安定した演技のカルロス
松見はチーム最多の5種目で演技
同大会で優勝するのは15年ぶり。米田監督が現役選手として同クラブに所属していた時以来だ。
杉野主将は「チームの方針として、今回はとにかく勝ちにこだわりました。各自が望む演技構成ではなく、難度を下げ、ミスのない試合運びが奏功しました」と笑顔。「24年のパリ五輪、さらに28年のロサンゼルス五輪に当クラブから代表選手を輩出し、金メダルを持ち帰りたい」と意欲を見せた。
米田監督は「6選手しかエントリーできないなかで、万一、演技種目が限られるスペシャリストがけがをした場合、戦い方が厳しくなります。その意味では今回、各種目で安定した演技ができる松見の存在は大きかった。チームのパフォーマンスを最大限発揮するために必要なピースでした」と評した。
“団体日本一”のタイトルを、今度は監督として得たことに目を細めつつも、「自分の現役時代に、この大会で5連覇しましたが、その後15年間という長い年月勝てませんでした。低迷しているチームを立て直すことの難しさを実感しました」と吐露。「パリ五輪が近づくなかで、もっと徳洲会の存在感を高めないと」と危機感をあらわにし、「来年の世界選手権に当クラブから日本代表をひとりでも多く送り込むことが大事。まだまだ課題は多いです」と語気を強めた。