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湘南藤沢病院 本態性振戦などに低侵襲治療 MRgFUSを半年ぶり再開

2022.10.12

湘南藤沢病院
本態性振戦などに低侵襲治療
MRgFUSを半年ぶり再開

MRgFUS治療中に患者さんの震えの様子を確認する山本センター長

湘南藤沢徳洲会病院(神奈川県)は8月1日に機能的神経疾患センターを開設、同26日にMRガイド下集束超音波治療(MRgFUS)を半年ぶりに再開した。同治療はMRI(磁気共鳴画像診断)で脳内の標的部位の位置と温度をリアルタイムにモニタリングしながら、超音波を一点に集中、熱凝固する治療法。外科的侵襲がほとんどないのがメリットで、「メスを使わない手術」と呼ばれる。

治療再開後の1例目は振戦優位型パーキンソン病の患者さんで、とくに震えの強い左手を治療、有害事象なく奏功した。山本一徹センター長は「この半年で治療待機となっていた患者さんも多くいますので、早めに再開できて良かったです。今回の患者さんは反対側の手もかなり震えているので、今後の経過を見て治療を考えます」と示す。

MRgFUSの保険適用は1回のみで、同治療しか実施していない施設では、自費で対側治療をするしかない。一方、同センターでは脳に電極を植え込み、持続的に電気刺激を加える脳深部刺激療法(DBS)や、脳に細い電極を入れ、先端の温度を上げて熱凝固する高周波脳凝固術(RF)なども実施可能(いずれも保険適用)。

山本センター長は「さまざまな治療の選択肢があることが当センターの強みです。患者さんやご家族と相談しながら、最適な治療を選ぶことができます」とアピールする。RFは10月中の実施を目指している。

また、同院は9月21日にMRgFUSをテーマにオンライン公開医療講座を開催。50人以上の参加があり、質疑応答も活発に行われた。「振戦やパーキンソン病に困っている方が多く、あらためて治療ニーズの高さを感じました。今後も同講座は定期的に開催できたらと思います」と山本センター長。講座終了後、受講者の一部から診療の予約が入った。次回は10月22日(土)午前9時に開催予定。詳しくは同院ホームページ(https://fujisawatokushukai.jp/)。

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