第63回 日本人間ドック学会学術大会 テーマは「女性のための人間ドック」佐々木・千葉病院婦人科部長が学術大会長
第63回 日本人間ドック学会学術大会
テーマは「女性のための人間ドック」
佐々木・千葉病院婦人科部長が学術大会長
幕張メッセで9月2日から
参加無料の市民公開講座は生配信(後日アーカイブ配信あり)
今大会は、学術大会長以外にも徳洲会が運営組織の要職を多数担っている。東上震一・医療法人徳洲会理事長が名誉大会長、福島安義・最高顧問と篠崎伸明・副理事長が学術副大会長を務め、千葉病院の山下修位・婦人科医長が事務局長を担う。プログラム委員会の委員としても徳洲会職員が名を連ねている。
学術大会の演題は大きく分けると、主要プログラム、一般演題(口演、ポスター)、共催セミナー、市民公開講座がある。主要プログラムとして、理事長講演、学術大会長講演・対談、特別講演、要望講演、教育講演、シンポジウム、ワークショップ、特別企画、委員会企画を実施。
理事長講演では、日本人間ドック学会の荒瀬康司理事長(虎の門病院健康管理センター・画像センター顧問)が「バリュープロポジションを意識した人間ドック学会の活動」をテーマに講演。バリュープロポジションとは「顧客が望み、競合他社では提供できない独自の価値を提供すること」を意味する。この観点から同学会の活動方針などを語る。
学術大会長講演・対談として、佐々木大会長が「女性のための人間ドック─子宮頸がん撲滅のための全世界的取り組み─」と題して講演、三原じゅん子・参議院議員(前厚生労働副大臣)と対談を行う。
特別講演では、日本医学会の門田守人会長が「今、求められる医学・医療とは」をテーマに講演。がん医療最前線、女性向け健診クリニック、ウィズコロナ時代のデータ医学に関する発表などもある。
要望講演も、脳卒中・循環器病対策基本法や、がん検診の精度管理の基準値変更、細胞診、女性の睡眠時無呼吸症候群、非造影乳房MRI(DWIBS)検診、COVID-19下のがん検診など多岐にわたるテーマを予定。
教育講演は乳房検診判定マニュアル、性差の視点を踏まえた脂質異常症、女性の検査の特徴、遺伝学的検査の有用性と課題、性別不合/性同一性障害と人間ドックなど注目を集めるテーマが並ぶ。
シンポジウムでは、発がんリスクを考慮したがん検診、人間ドックで評価するフレイルとロコモティブシンドローム、生活習慣病の性差と予防について、それぞれ複数のシンポジストが発表。
ワークショップは女性スポーツ医学、精検受診率の向上と精検結果の正しい把握、検診に必要な乳がんの診断・治療、コロナ禍におけるメディカルツーリズム、膵臓がん確定診断における新たな取り組みをテーマに情報を発信する。
特別企画では、厚労科研「女性特有の疾病に対する健診等による介入効果の評価研究」などについて報告がある。ウィズコロナ・アフターコロナの施設運営をテーマに事務職・営業職を対象としたグループワークも実施。標準化された検診データによる医療AI(人工知能)の開発や、医療保険者の取り組みについてのセッション、学術大会運営委員会企画として「人間ドック診療における安全実施基準策定に向けて」をテーマとする講演も行う。委員会企画では同学会の各種委員会から活動状況など発表を予定。
一般演題(口演)は「肝・胆・膵・脾」、「肥満、メタボリックシンドローム」、「COVID-19」、「胃・尿路」、「呼吸器」、「婦人科」、「組織運営(施設運営)」、「受診者サービス」、「血圧、脈拍(心拍)」、「検査法(遺伝子・新技術・ほか)」など、さまざまなテーマごとのセッションで演者が発表する。
ポスター発表もテーマ別に分かれ、さらに大会企画として「全国の施設の先進的・効果的な取り組み」に関して、集中的に発表を行う予定だ。
市民公開講座は「親子で考えるがん予防ワクチン」をテーマに、3日午後2時から1時間半、ライブ配信を実施する(参加無料)。12日から30日までアーカイブ配信する。
徳洲会グループからは講演・口演11題、ポスター12題の計23演題と多数の発表を行う予定。