放射線治療の体制を強化 高精度放射線治療装置「Radixact」 鎌ケ谷病院導入
放射線治療の体制を強化
高精度放射線治療装置「Radixact」
鎌ケ谷病院導入
放射線治療科・放射線治療センターを築いた吉田部長。「今後も環境を充実させていきたい」 稼動中のRadixact。天井には風景写真を映す液晶パネル
鎌ケ谷総合病院(千葉県)は放射線治療に関する体制や環境の整備・充実を図っている。昨年4月に放射線治療科・放射線治療センターの常勤医師を2人体制に強化し、今年5月には放射線治療装置「Radixact」を導入した。
同装置は、がんの位置や大きさによって放射線の量や強さを変えるIMRT(強度変調放射線治療)機能、治療直前に撮影した画像と事前の計画との照射位置の“ずれ”をコンピュータ制御下で補正するIGRT(画像誘導放射線治療)機能、さらに照射の標的が呼吸などで移動しても追尾する機能を有するトモセラピー(高精度放射線治療機器)の最新機種。
腫瘍に対する精度の高い照射と正常組織への照射リスクの低減、治療時間の短縮など患者さんの負担軽減が期待できる。徳洲会グループでは岸和田徳洲会病院(大阪府)、東京西徳洲会病院が導入している。
同院は操作などに関するトレーニング、シミュレーションを経て5月の連休明けに治療を開始。すでに60例に実施し、いずれも経過は順調だ。
あわせて環境面も改善した。「少しでも癒やしの空間を」と、治療室の天井に液晶パネル、廊下にバーチャルウインドウを設置。季節に合わせた風景画像を掲示し、患者さんがよりリラックスできる雰囲気づくりに努めている。「放射線の被ばくリスク下げるために、治療スペースは地下にあり、壁も厚くて長い。気分が落ち込まないように、より明るく、癒やしのある空間にしたいと考えました」と同センターの吉田次男部長。
放射線治療に対する“敷居” を下げることにも余念がない。昨年から月に2回(主に第2、4週の土曜日)、放射線治療に関するセカンドオピニオン外来も開始した。「日本では放射線治療が適しているのに受けていない患者さんが少なくありません。気軽に相談してほしいと思い設けました」(吉田部長)。