湘南鎌倉病院ER 応急手当の書籍上梓 「医療リテラシー」に貢献
2022.08.17
湘南鎌倉病院ER
応急手当の書籍上梓
「医療リテラシー」に貢献
湘南鎌倉総合病院(神奈川県)救急総合診療科(湘南ER)は、一般の方々の「医療リテラシー」向上を目的に情報発信に注力している。医師主導で運営しているインスタグラムのフォロワー数は約5・2万人、ここから書籍出版にもつながった。
広報活動に取り組む(左から)関根部長、佐々木医師、福井医師、寺根医長
病院の広報活動は集患やリクルートを目的に行うことが多いが、湘南ERの広報は積極的な情報発信をとおし、一般の方々に正しい知識を身に付けてもらうことを目的としている。医師主導で行っており、救急総合診療科の関根一朗部長、寺根亜弥医長、福井浩之医師、佐々木弥生医師が担当。
関根部長は「どんな症状なら救急車を呼んでいいのか、病院では何を伝えて何を要求するのか、今さら聞けないことも多いと思います。これは医療従事者側が情報発信をしてこなかった弊害でもあります。一般の方々の医療リテラシーが上がれば、満足度向上につながり、医療逼迫の解消にもつながると考えます」と強調する。
インスタ120万超再生
『湘南ERが教える 大切な人を守るための応急手当』 湘南ER著、KADOKAWA刊、1,540円
広報活動のひとつとして取り組むインスタ(@shonan_er)では、毎週更新する「1分で伝えるER」という動画が人気。とくに昨年6月9日の「絆創膏」をテーマにした動画は120万回再生を超えた。
ほかに講演活動にも尽力しており、湘南ERが企画した出張授業は好評を博した。講師を担当した佐々木医師は「子どもが学校で学んだことを家で話したり、ほかの友達に教えたりして、良い連鎖ができれば良いと考えます」と期待する。
こうした取り組みが出版社の目にとまり、7月28日に書籍『湘南ERが教える 大切な人を守るための応急手当』を上梓。寺根医長は「ただ応急手当を解説するだけでなく、予防方法や病院に行く目安、救急車を呼ぶ目安などにも触れており、当事者の目線で“あるとうれしい”情報を記載しています。救急医が書いているからこそ、幅広い内容を取り上げているのも特徴です」とアピール。