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湘南藤沢病院脊椎センター・脊柱側彎症センター 脊椎手術5,000例を突破 難易度高い脊柱側彎症などは1,200例超

2022.08.03

湘南藤沢病院脊椎センター・脊柱側彎症センター
脊椎手術5,000例を突破
難易度高い脊柱側彎症などは1,200例超

湘南藤沢徳洲会病院(神奈川県)脊椎センター・脊柱側彎症センターの手術件数が4月に5000例を超えた。6月末時点で5071例。同院の前身である茅ヶ崎徳洲会総合病院で1例目の手術を行った2004年8月以来、17年9カ月で達成した。同センターは脊椎疾患のなかでも、著しく患者さんのQOL(生活の質)低下を招き、手術の難易度が高い脊柱側彎症の治療に積極的に取り組んでいる。より正確で安全な手術を行うため、江原宗平・副院長兼同センター長は、高度な医療機器を導入するなど環境を整えながら医療の質の向上に尽力している。

先端的な技術積極的に導入

「さらに成績の良い手術を追求」と江原副院長

手術部位別の内訳は頸椎803例、胸椎137例、腰椎2737例、脊柱側彎症など1264例、その他130例(図)。

「5000例は通過点ですが、ひとつの節目として素直にうれしいです。患者さんのため今後も研鑽を積み、安心・安全で、さらに成績の良い手術を追求していきます」と江原副院長は抱負を語る。

江原副院長が長年にわたり一貫して手術に力を入れてきた脊柱側彎症は、背骨がねじれながら大きくカーブする疾患。重症化すると心肺機能障害を引き起こす。手術ではスクリューやフックを用いロッド(金属の棒)と背骨を連結し、ねじれやカーブを矯正。脊椎には重要な脊髄神経や血管が通っていることから、彎曲の大きい重度変形の手術には高度な技術を要する。同院の脊柱側彎症手術は全国有数の症例数を誇る。

江原副院長は前方矯正固定術と後方矯正固定術という2つの術式に加え、内視鏡を用いた小切開前方矯正固定術にも取り組む。これは江原副院長が考案した術式で、傷痕が小さいことから若い女性を中心に好評だ。同術式は1994年に開発に着手、99年に実臨床で開始した。2016年にも江原副院長は「CORRECTION BOX」という器具を開発。手術台の上で脊柱変形をできるだけ矯正してから手術を開始するための牽引手術システムだ。


精度の高いスクリュー挿入に寄与するロボットアームを使用

脊柱側彎症手術の術前

術後のX線画像

また、江原副院長は患者さんのため、最先端の技術を貪欲に取り入れている。12年10月に同院が現在地に新築移転した際には、多軸型CT様画像撮影装置Artis zeegoを導入し、同装置と連動する手術台、リアルタイムナビゲーションシステムからなる世界初のハイブリッド脊椎手術システムを構築。三次元の鮮明なデジタル画像とナビゲーションシステムを組み合わせ、ミリ単位の正確な手術をサポートする。19年には同装置の進化版であるARTIS phenoに更新し、より高精細・高画質な画像の撮影が可能となり、治療に貢献している。

さらに、21年4月には日本で初となるロボット脊椎手術を開始。ARTIS phenoで撮影した画像をナビゲーションシステムに取り込み、スクリューを挿入したい位置・方向・長さを指示すると、ロボットアームがドリルガイドチューブ(円筒形の手術器具)を正確に誘導、精密な手術に寄与する。

これらArtis ZeegoとARTIS phenoを活用した脊椎手術システムの環境下で、江原副院長はこれまで3万本近い椎骨スクリューを挿入してきた(7月下旬時点)。江原副院長のスクリュー入替率は0.1%未満という精度だ。このうち2168本(7月26日時点)はロボットアームの支援下に挿入、これは世界最多だ。

江原副院長は「手術の精度向上に有用な技術の導入・開発に努めてきました。脊椎疾患でお困りの患者さんがおられましたら、ぜひ、ご相談ください」。

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