大垣病院 マグネットホスピタルへ 「広報活動」を強化
大垣病院
マグネットホスピタルへ
「広報活動」を強化
病院発展プロジェクトが発端
(左から)森室長、間瀬院長、工藤沙和子・地域医療連携室職員
大垣病院が広報活動の強化に乗り出したのは、昨秋に取り組みをスタートした“病院発展プロジェクト”が発端だ。間瀬隆弘院長ら同院四役(院長、副院長、看護部長、事務長)と、広報責任者を務める地域医療連携室の森俊彦室長、各部署の所属長がメンバーとなり、毎月定例の会議を重ねた。そのなかで、安定した医療提供のため看護師など職員の確保や、患者さんに選ばれる病院となるため、従来以上に広報活動を強化する重要性を確認。
2008年4月に開院した同院は今年で15年目。整形外科を中心に近年、手術件数が増加するなど、救急・急性期医療を軸とするケアミックス病院として地域医療への貢献度を高めてきた。一方、23年秋には400床規模の病院が直線距離で約7㎞の距離に移転してくることが決まっており、医療機関を取り巻く厳しい環境が続く中、患者さんや医療者から選ばれるマグネットホスピタルへと発展を迫られていることから、同プロジェクトを立ち上げた。
広報活動強化の具体的な施策のひとつとして、まず、4月に広報誌『あくあねっと』のリニューアルを敢行。「徳洲会グループの他病院の広報誌も参考にしながら、従来の8頁から12頁に増頁を図り、新コーナーを設けるなど質・量ともに充実させました」と森室長はアピールする。現在、約3000部を発行し、来院者が自由に持ち帰れるよう院内に配置。連携医療機関や消防署、自治会などにも配布している。
『あくあねっと』は、間瀬院長が乳がんの治療法など専門的な内容を、わかりやすく解説し人気連載となっている「乳がんについて」や、「あくあねっと de 糖尿病教室」、「循環器内科からのお知らせ」といった従来からのコンテンツに加えて、リニューアル後はリハビリテーション科が担当する「リハビリテーション通信」の連載も開始した。最新の7月号では「けがや病気後の自動車運転」をテーマに解説。毎月1日から月末までの日別の外来診療体制表も「見やすくてわかりやすい」と好評だという。
また、看護師の採用活動のツールとして、リクルートガイドブックを初めて制作した。看護部の理念や西村なおみ看護部長の挨拶、研修の年間予定や教育制度、先輩看護師・後輩看護師の対談、採用スケジュールなどを紹介。小冊子だが充実した内容のつくりだ。
4月にメンバーを刷新した広報委員会の委員長には間瀬院長が就いた。ホームページや同院パンフレット、院内掲示、医療講演のあり方など広報全般について検討し、改善していく計画だ。間瀬院長は「患者さんや地域とのつながりを強化するうえでも、病院広報はこれからますます重要になっていきます。活発にアイデアを出し合い実行していきたい」と意欲を見せる。4月には地域医療連携室の広報担当職員をあらたにひとり採用し、体制も強化した。