中部徳洲会病院 「統合麻酔診療部」開設 3つの診療科統合し補強
中部徳洲会病院
「統合麻酔診療部」開設
3つの診療科統合し補強
服部・統括部長(右)と前部長(左)を中心に手術麻酔をマネジメント
沖縄県内の麻酔科均霑化のため、4月に中部徳洲会病院から南部徳洲会病院に麻酔科医師が異動し、中部徳洲会病院所属の麻酔科医師が大幅に減った。そこで残った麻酔科医師2人と、麻酔科専門医を有する疼痛治療科、在宅・緩和ケア科が協力し、それぞれを補強し合うため、服部政治・疼痛治療科統括部長(日本麻酔科学会代議員)と前知子・同科部長(日本ペインクリニック学会評議会)を中心に「統合麻酔診療部」を開設した。
手術麻酔では、必ず麻酔科専門医資格を有する医師が手術室に常駐し、研修医などが麻酔導入を行う場合もバックアップ体制を確保。また、古賀寛教・集中治療部部長と一緒に、「術中麻酔管理領域パッケージ」による看護師の特定行為研修を行っており、来年3月には院内の看護師3人が修了予定。今後は特定看護師による術中麻酔管理も視野に入れ、体制を構築していく計画だ。
疼痛治療科はこれまでどおり、院内に加え全国の徳洲会病院に出向き、専門的な疼痛治療を実施。神経ブロック療法などを駆使し眠気のない除痛を行い、がん患者さんのQOL(生活の質)の維持・向上に注力する。さらに、訪れた病院で疼痛治療だけでなく手術麻酔も実施している。
同院が紹介された東京MXテレビ「Doctor’s eye」を同院YouTubeチャンネルで視聴可能
在宅・緩和ケア科では、がんの標準治療が終わった後、在宅での緩和ケアを希望する患者さんに対し、神経ブロックや脊髄鎮痛法など専門的な疼痛治療を在宅でも提供する。
服部・統括部長は「手術麻酔を行う中央部門は、揺るぎないものにしなくてはなりません。他の診療科や多職種の協力の下、体制を盤石なものにしていきます。がん疼痛治療では早い時期から主治医と連携を取り、痛みの治療を始め、病院から在宅へシームレスな対応を心がけていきます」とアピールする。
今後は、若手医師の教育体制をさらに充実させる予定。現在は、琉球大学と大阪医科薬科大学の麻酔科専攻医の研修協力施設となっている。服部・統括部長は「当院は手術麻酔だけでなく、集中治療や疼痛治療など幅広く学べるのが強み。これからも大学との連携は大切にし、それぞれのスタッフを行き来させ、双方向に協力体制を組むことで、良い循環をつくっていきたい」と意気込む。