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Book review 「命を懸けた医療」に肉薄

2022.06.30

Book review
「命を懸けた医療」に肉薄

笹井恵里子・著、飛鳥新社・刊、1,650円

いち早く病床を確保し、どこよりも多くのコロナ患者さんを受け入れたのは「断らない救急」を標榜する徳洲会グループの病院だった――。著者は新進気鋭のジャーナリスト。北海道から鹿児島県の離島、奄美群島まで、徳洲会病院を駆け回り、そのコロナ対応をつぶさに取材。情熱をもって懸命にコロナ患者さんと向き合う医療者の強さの秘密に迫っている。

本書は第1章・病床確保(新型コロナ第1波、2020年2月~)、第2章・断らない救急の原点、第3章・院内感染(第2波、7月~)、第4章・転院搬送(第3波、20年末~) 、第5章・医療者の心(第4波、21年3月下旬~)、第6章・初療は誰がやるのか?(第5波、7月~)、第7章・離島医療、第8章・初めて患者を断った(第6波、22年年明け~)で構成。ダイヤモンド・プリンセス号から始まり、いかにして徳洲会病院がコロナと対峙したか、コロナ対応のメソッドも明かしている。

徳洲会の創設者、徳田虎雄・医療法人徳洲会名誉理事長が掲げた“生命だけは平等だ”の理念の源泉にも触れることができる一冊だ。

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