湘南鎌倉病院 高齢者・がん診療に“厚み” 総診・緩和ケア指導医着任
2022.06.21
湘南鎌倉病院
高齢者・がん診療に“厚み”
総診・緩和ケア指導医着任
湘南鎌倉総合病院(神奈川県)に宇井睦人・総合診療科医師が着任した。宇井医師は離島医療などの経験を通じ、総合内科や緩和ケアに傾倒、これら領域の専門医や指導医の資格を取得。現在、とくに高齢の患者さんや末期がんの患者さんへの診療に、多職種と協力しながら注力している。
「がん・非がんの垣根なく対応したい」と宇井医師 著書『緩和ケア ポケットマニュアル 改訂2版』(南山堂・刊、2,420円)。スマホサイズで携帯しやすく電子版も。Amazonで1位も獲得!
宇井医師は研修医時代を都立病院で過ごし、その後は公的病院などで急性期から慢性期まで多彩な経験を積んだ。総合診療と緩和ケアを専門とし、専門医や指導医など資格を取得している。
「研修医の頃に東京の離島で経験を積み、その時に自分の医療レベルが島の医療レベルに直結すると感じ、総合診療を学びました。緩和ケアは、医師になって7年目の頃に末期がん患者さんの症状に対応することができず、理解を深めたいと思ったからです」。とくに緩和ケアについては普及にも腐心。著書『緩和ケア ポケットマニュアル』は初心者向けのわかりやすい解説と携帯のしやすさで好評を博し、4月に改訂2版が刊行された。
湘南鎌倉病院入職後は総合診療科に所属するかたわら、緩和ケアチームの一員として活動している。どちらも宇井医師の着任で対応がスムーズになるなど診療が充実したという。「他のスタッフと一緒に学び合い研鑽しています。職場の雰囲気がとても良い。医局も若手の机は決まっていないなど自由でコミュニケーションが取りやすい」と宇井医師。
今後は後進育成も兼ねて活動していく。「総合診療と緩和ケアは、がん以外の患者さんにも対応できるのが強みだと思っています。状態や背景に応じ、提供する医療を緩めていくことも大切で、いわば“引き算の医療”だと思っています。この領域を私自身も深め、伝えていきたいです」。