山本・湘南鎌倉病院部長 “教育”で病院価値を向上 書籍刊行やネット使い情報発信
山本・湘南鎌倉病院部長
“教育”で病院価値を向上
書籍刊行やネット使い情報発信
「人を集めるには“教育”が欠かせません」と山本部長 『みんなの脳神経内科』(中外医学社刊、税込3,960円)
湘南鎌倉総合病院(神奈川県)の山本大介・脳神経内科部長は、臨床医として日々患者さんの診療に尽力する一方、積極的に教育活動に取り組み、トレーニング・ホスピタルとして医療スタッフにも魅力的な病院づくりに貢献している。2021年5月には脳神経内科診療の基本をまとめた書籍『みんなの脳神経内科』(中外医学社)を刊行、さらにインターネットを活用した情報発信にも熱心だ。
「病院運営に最も大切なのは“人”であり、人を集めるために欠かせないのが“教育”です。私は臨床とともに、教育を自分の仕事として確立したいと考え、18年に当院に入職しました。教育を通じた病院の価値向上が私のミッションです」(山本部長)
院外へのアピールにも力を入れ、医師・医学生のためのスライドシェアサービス「Antaa Slide」(https://slide.antaa.jp/)に、ER(救急外来)でのけいれん・てんかん診療を学ぶためのスライドや、脳梗塞診療、認知症の基礎を解説したスライドなど多数公開。累計700万ページビューと多くの注目を集めるコンテンツとなっている。
昨年刊行した『みんなの脳神経内科』は、研修医や専攻医、総合診療医などに向けて、「わかりやすさを重視し、みんなに伝わり、臨床にすぐに役立つ内容とすることを心がけて執筆しました」(山本部長)。
また山本部長は院内の医療の質を改善するQI活動で、QIプロモーター・リーダーも務め、身体抑制の低減化を推進している。せん妄治療の薬物療法標準化を、講演会開催や動画などのツールを用い院内へ浸透させる試みも行っている。「自院でシェアされる教育の力が、他施設・他地域にも良い影響を与えられるように、前向きな姿勢で活動を続けていきたい」と意気軒高だ。