南部病院 名瀬病院をサポート オンラインカンファ開始
南部病院
名瀬病院をサポート
オンラインカンファ開始
「今後もグループ間での連携を強化したい」と平安名・統括部長
南部徳洲会病院(沖縄県)は、奄美大島にある名瀬徳洲会病院(鹿児島県)とオンラインカンファレンス(症例検討会)を開始した。放射線治療の適用や画像診断に関する相談がメインで、症例があれば毎週定期的に開催する計画だ。
これは南部病院の平安名常一・放射線部統括部長が名瀬病院を訪れ、松浦甲彰院長と情報交換をしたことがきっかけ。松浦院長は「専門医でないとわからないことを、気軽に相談できる場があると、患者さんの負担軽減につながります」と強調する。
通常であれば、院内で治療方針が確定できない場合、患者さんは紹介状を手に専門医のいる島外の病院を受診、さらに実際に治療する段階で再度、島外の病院に行き入院する。場合によっては、一度の受診で治療方針が決まらないこともあり、患者さんは何度も島外に行かなくてはならない。
がん放射線治療適用や画像診断に関する相談
オンラインカンファレンスの様子(南部病院)
松浦院長は「専門医に紹介する前に、まずは医師同士で相談できれば、患者さんの手間も省けます。こうしたことができるのも、徳洲会のスケールメリットだと思います」と謝意を示す。
平安名・統括部長も「離島・へき地の病院でも適正な医療が受けられるように支援していきたい。まずは、どんな症例でもよいので、気軽に相談できる場をつくり、継続するなかでカンファレンスの役割を明確にしていけたらと考えます」と展望する。
画像や電子カルテを共有するシステムを構築したうえで、2月9日に初開催。南部病院は放射線治療科の医師や看護師、診療放射線技師、放射線診断科の医師、服部真己院長が参加した。
議題のひとつは臨床的・画像的に早期肺がんが疑われる症例で、合併症があるため手術が困難な高齢の患者さんに対し、放射線治療が適用になるか――。検討した結果、サイバーナイフによる治療が可能だとわかった。
カンファレンスに参加した橋本成司・放射線治療科医長は「サイバーナイフは小さい腫瘍をターゲットにするため、適応には専門的な判断が必要です。サイバーナイフは1回で大線量を用いるためトータルの治療回数が少なく、1~2週間程度の入院で治療を完遂できます。離島からの患者さんにとってメリットがあります」と胸を張る。
南部病院は放射線治療の適用に関し、いつでも相談できる体制を構築。平安名・統括部長は「オンラインであれば複数の離島・へき地の病院をつないでカンファレンスできます。実際に離島・へき地の病院を訪れて講演などもしたいと考えています。今後もグループ間で連携を強化していきたい」と意気込みを話す。