新春特別企画㊦ 医師「働き方改革」に寄与 特定看護師の育成加速
2022.02.02
新春特別企画㊦ 医師「働き方改革」に寄与
特定看護師の育成加速
医師の「働き方改革」に資するタスクシフト(業務移管)に寄与するとして、診療看護師(NP)や特定看護師の活躍が期待されている。徳洲会グループはそれぞれの育成に注力。特定看護師は現在、グループ11病院が自院で特定行為研修を実施、4月には新たに1病院が加わる予定だ。
外部講師を招いてOSCEを実施(札幌病院)
NPは日本NP教育大学院協議会および日本看護系大学協議会が認める大学院で養成課程を修了し、同協議会の資格認定試験に合格した者。特定看護師は厚生労働省が承認した指定研修機関の特定行為研修を修了した者だ。現在、徳洲会グループにはNPが28人、特定看護師が88人在籍、全国的にはNP583人(2021年4月時点)、特定看護師4,393人(同9月時点)。
徳洲会の特定看護師の育成では、昨年 、新たに8病院が自院で特定行為研修をスタート、今年はさらに松原徳洲会病院(大阪府)でも開始する予定だ(表)。
特定行為とは医師や歯科医師の指示の下、手順書に基づいて看護師が自ら行える診療補助行為をいう。21区分あり、なかでも実施頻度が高い特定行為をパッケージ化(6領域)し研修を行う。研修は病院で働きながら受けられるのも特徴。研修項目には共通科目と区分別科目があり、それぞれeラーニングによる講義を受けた後、演習(モデルを使い実践を想定した訓練)、実習(ベッドサイドで行う訓練)を経て実技試験(OSCE)を行い、すべての科目で合格したら研修修了となる。
NP、特定看護師ともに看護の質の向上に加え、医師の「働き方改革」を進めるための重要な役割を担うものと考え、グループを挙げ育成に注力している。現在、一般社団法人徳洲会はそれぞれに関し規定を作成中。管理委員会、業務内容や実施可能な医療行為の水準、初期研修プログラムなどを明文化し、4月に施行予定だ。