平安名・南部徳洲会病院統括部長 服部・中部徳洲会病院統括部長 難治性疼痛テーマに講演
平安名・南部徳洲会病院統括部長
服部・中部徳洲会病院統括部長
難治性疼痛テーマに講演
日本緩和医療学会・九州支部学術大会
平安名・統括部長は動注化学塞栓療法を解説し今後の方向性を提案 「神経ブロックや脊髄鎮痛法の積極的な導入を」と服部・統括部長
平安名・統括部長の演題は「がんの難治性疼痛に対する動注化学塞栓療法」。標準治療(手術、全身化学療法、放射線治療)を受けても良好な結果を得られなかった患者さんの難治性症状のうち、最も対応に苦慮するのが骨転移を含めたがん性疼痛。薬物療法では十分な効果が得られないことが多く、緩和医療の現場で課題になっている。
これに対し「放射線の再照射は有効な救済緩和治療のオプションとなるが、効果は一時的であり、再照射後に症状が再燃した場合、さらに照射を追加することは厳しい」と説明。そこで同院は、動注化学塞栓療法(カテーテルを用い腫瘍の近くにある栄養動脈から高濃度の抗がん剤を注入する治療法)をスタート。症例を報告し今後の方向性を提案した。
服部・統括部長は「がん疼痛に対するインターベンション治療」がテーマ。がん疼痛は内服薬やオピオイド(麻薬性鎮痛薬)だけでは十分に除痛できないケースが多く、神経ブロック、脊髄鎮痛法、放射線治療、IVR(画像下治療)による塞栓療法などを緩和医療に組み込む必要があると強調した。
同院は2019年から、がん疼痛に対するインターベンション(神経ブロック、脊髄鎮痛法などカテーテル治療)を実施。直近1年の神経破壊薬を使用した神経ブロック件数は63例(うち内臓系神経ブロックは43例)、脊髄くも膜下ポート手術は49例に上る。症例を解説したうえで、学会参加者に「神経ブロックや脊髄鎮痛法の有用性を知り、積極的に患者さんのために導入していただければ幸甚です」とアピールした。