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徳洲会グループ 未来予想図 「医師の働き方改革」本格化 応援・募集体制見直す

2022.01.06

徳洲会グループ 未来予想図
「医師の働き方改革」本格化
応援・募集体制見直す

現在、政府主導で「働き方改革」が進められている。これは少子高齢化にともなう生産年齢人口の減少、育児や介護との両立など、働き手のさまざまな事情に応じ、多様な働き方が選択できる社会の実現を目指すというもの。2019年に長時間労働の是正や多様で柔軟な働き方の実現、雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保などを盛り込んだ「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」(働き方改革関連法)が施行され、民間企業をはじめ改革に取り組む動きが加速している。

医療界では、とりわけ医師の勤務環境の改善には長期的な観点に基づく必要があることから、5年の猶予期間を設定。24年4月以降は国が示す医師の働き方改革制度にのっとった対応が求められる。

同制度で“肝”となる部分が「時間外労働の上限」で、主にA~Cの3つの水準を設けている(図)。A水準は診療に従事するすべての勤務医が対象となり、時間外労働が年間960時間以下または月100時間未満(休日労働含む)。


B水準は「地域医療暫定特例水準」で、救急医療など緊急性の高い医療を提供する医師が対象。時間外労働は年間1860時間以下または月100時間未満(休日労働含む)となっている。連携B水準は自院のみなら時間外労働が年間960時間以内、これに副業・兼業先での労働時間と通算し時間外労働の上限を年間1860時間とするもの。医師の派遣などを通じ地域医療を確保する役割を担っている医療機関などを想定している。

C水準は「集中的技能向上水準」で、臨床経験が必要な研修医、あるいは専攻医や高度な技能の習得など短期間で集中的に症例経験を積む必要がある医師が対象。B水準と同じく時間外労働は年間1860時間以下または月100時間未満(休日労働含む)。

B水準とC水準については23年3月末までに医療機関は都道府県に申請し、指定を受けなければならない。指定を受けるには22年4月に始まる第三者評価を受ける必要がある。なおB水準・連携B水準は35年度末を目標に廃止、C水準も将来的に縮減する方針だ。

WTが実態調査を進める

同制度は時間外労働の上限と合わせ、インターバルの確保など医師の健康確保に対する措置も求めている。医療資源が限られるなか、医師の負担を軽減することで、多様化・複雑化するニーズに対し、質の高い医療提供体制を整備するのが狙い。

同制度により、今後求められるのが医師の業務効率化。現在、医師の一部業務を他職種が行う“タスク・シフト/シェア”が進められており、診療看護師(NP)や特定看護師など看護師、薬剤師、臨床工学技士、医師の事務作業を補助する事務職員などが、その役割を期待されている。またテクノロジーの活用も不可欠。臨床以外にも医師の教育など、さまざまな場面でAI(人工知能)やVR(仮想現実)など最新技術を駆使する場面が増えることが予想される。同時に、それらを活用できる人材育成も求められている。

徳洲会グループでも21年7月、グループ内に「医師の働き方改革WT(ワーキングチーム)」を設置、実態調査を進めると同時に、今後、離島・へき地への医師の応援体制のシステム化や医師の募集体制の強化を図る方針。

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