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徳洲会グループ 未来予想図 臨床から研究までグループで推進 がん医療体制を強化

2022.01.06

徳洲会グループ 未来予想図
臨床から研究までグループで推進
がん医療体制を強化

国産初の手術支援ロボット「hinotori」(画像提供:メディカロイド)

がん医療に力を入れる徳洲会――。救急医療や離島・へき地医療を原点とする徳洲会グループだが、がん患者さんの増加にも積極的に対応し、徳洲会の柱のひとつと言えるほど、がん医療は成長しつつある。

実際、手術・薬物療法・放射線治療から成る質の高い集学的治療の提供を担う国指定の地域がん診療連携拠点病院として、宇治徳洲会病院(京都府)、湘南鎌倉総合病院(神奈川県)、和泉市立総合医療センター(大阪府)の3病院が指定を受けている。さらに同センターは“がん遺伝子パネル検査”を実施できるがんゲノム医療連携病院に2021年8月、厚生労働省から指定を受け、より高度な個別化医療に期待がかかる。

ほかにも複数病院が都道府県指定のがん拠点病院になっている。

徳洲会グループは「for the patient」(患者さんのために)を合言葉に、治療成績の向上が見込める最新技術を積極的に導入。たとえば、高精度な低侵襲手術に寄与する手術支援ロボットのダヴィンチは現在18病院で活用。加えて八尾徳洲会総合病院(大阪府)、大和徳洲会病院(神奈川県)も新たに導入し、22年春までに手術を開始予定だ。

さらに国産初の手術支援ロボットであるhinotoriも、いち早く導入。武蔵野徳洲会病院(東京都)は11月に1例目となる前立腺がんの手術を行い、南部徳洲会病院(沖縄県)も今後、手術を開始する予定だ。

22年1月に陽子線稼働

22年1月に運用を開始する陽子線治療装置

放射線治療の分野も日進月歩。IMRT(強度変調放射線治療)など高度な放射線治療が可能なトモセラピー(導入施設7病院)とTrueBeam(同5病院)、またサイバーナイフ(同1病院)といった新しい装置を駆使し、できる限り副作用の少ない、患者さんニーズに合わせた治療に専心。22年1月には湘南鎌倉病院先端医療センターで陽子線治療がスタート。同センターは今後、BNCT(ホウ素中性子捕捉療法)の計画もある。

徳洲会のがん医療強化の礎は04年に開始した“徳洲会オンコロジープロジェクト”だ。「全国のどの徳洲会病院のどの診察室に入ったとしても、 患者さんが等しく科学的根拠に基づく安全性が確立された標準治療を受けられるようにする」ことを目的とし、徳洲会統一の標準レジメン(治療計画)の整備、臨床研究・試験の実施、キャンサーボード(多診療科・多職種が最善の治療方針を検討する会議)の整備などを推進してきた。

同プロジェクトから呼吸器部会、大腸がん部会、乳がん部会が発足するなどグループのスケールメリットを生かした活動を展開。Real World Data(臨床現場から得られる医療ビッグデータ)を用いた研究も進めている。

緩和ケアも重要な位置を占める。中部徳洲会病院(沖縄県)疼痛治療科では、神経ブロック療法などを駆使して眠気のない除痛を行い、がん患者さんのQOL(生活の質)の維持・向上に注力。グループの病院間を移動し、専門的な疼痛治療を提供するモバイルエキスパートを実践する。緩和ケアを長年実施してきた札幌南徳洲会病院は21年7月に新築移転した際、緩和ケア病棟を18床から40床に増床。他のグループ病院でも多職種が連携し、患者さん中心の医療提供に尽力している。

「目の前の患者さんを治したい」という思いと同様、実臨床に役立てることを目指し、がん関連の研究も活発だ。たとえば札幌東徳洲会病院医学研究所では次世代シークエンサー(高性能の解析装置)を駆使し、難治がんのひとつである膵(すい)がんの研究を推進。早期発見・診断技術の確立などを目標に掲げている。AI(人工知能)を活用し内視鏡画像から病変を拾い上げる診断支援の臨床研究などにも複数施設が参加。徳洲会グループは今後も、より一層がん医療の強化に努める方針だ。

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