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吹田病院 SCU始動で24時間対応 専門医がファーストタッチ

2021.12.16

吹田病院 SCU始動で24時間対応
専門医がファーストタッチ

吹田徳洲会病院(大阪府)は脳卒中を専門的に扱うSCU(脳卒中ケアユニット)を開設した。脳卒中はできる限り早期の治療介入が求められる疾患で、とくに急性脳梗塞は治療に至るまでの時間が救命の鍵。救急隊員とホットラインでつながり専門スタッフが初療から関わることで、地域の救命率向上を目指す。

「最新知見をつねにアップデートしていきます」と宇野部長

吹田病院は9月1日にSCUの施設基準をクリア、現在6床が稼働している。救急隊員との脳卒中ホットラインは24時間365日対応。脳神経外科医がファーストタッチからかかわり、より迅速かつ的確に脳卒中患者さんにアプローチする。

これまで脳卒中患者さんが緊急搬送されてきた場合、まずICU(集中治療室)もしくはHCU(高度治療室)で受け入れていたが、SCUの稼働により「看護師やリハビリスタッフが脳卒中ケアに特化しているため、より診療に集中できます」と宇野淳二・脳神経外科部長兼脳神経血管内治療科部長。宇野部長は事前に急性期脳卒中の勉強会を開催するなどスタッフ教育を進めてきた。

同院周辺には大規模病院が多いが、高齢者も多く、そのぶん脳卒中の救急搬送も多い。このためSCUはたびたび満床となることから、今後は増床していきたい考え。現在は常勤医師2人、専従看護師3人体制だが、稼働状況により増員も視野に入れている。

脳卒中、とくに急性期脳梗塞は、どれだけ早く救急搬送できるかが予後に直結するため、「まず一般の方、そして救急隊員の方に脳卒中とは何か、なぜ急ぐ必要があるのか、知っていただかなければいけません」と宇野部長。新型コロナウイルス感染症予防の観点から、現在は啓発活動が十分にできていないが、今後、講演会や勉強会などを積極的に行っていく考えだ。

脳卒中は脳の血管が傷害し、脳への血流が滞る疾患で、①脳の血管が詰まり脳の神経細胞が壊死(えし)する脳梗塞、②脳内の微小な血管が破れて出血する脳内出血、③脳動脈瘤(りゅう)の破裂によるくも膜下出血――に分類。とくに脳梗塞の急性期には発症から4・5時間以内に血栓を薬で融解させるtPA療法と、発症から24時間以内の血栓回収療法がきわめて有効で、どれだけ早く治療できるかが救命の鍵となる。

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