「救急救命士部会」発足 グループ全体で約100人所属 徳洲会救急部会
「救急救命士部会」発足
グループ全体で約100人所属 徳洲会救急部会
救急医療関係者が参加し救急救命士のあり方など討議
徳洲会救急部会は11月9日、オンライン会議を開催し、病院所属の救急救命士のあり方について意見交換するとともに、「徳洲会救急救命士部会」の発足を発表した。救急救命士部会の部会長には宇治徳洲会病院(京都府)救急救命士科の能登路賀一副室長を選出。今後、救急部会が開く会議のなかで、他の部会を参考にしながら会則など作成し、救急救命士部会の運営体制を整備、いずれは自立して活動していく方針だ。
今回のオンライン会議は救急救命士法改正を受け開催。
5月に「良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進するための医療法等の一部を改正する法律」が公布、10月に改正救急救命士法が施行された。これにともない、救急救命士が救急救命処置を行うことができる場所が、従来は「病院前」までに限られていたが、新たに「救急外来」でも実施可能となり活躍の場が広がった。
徳洲会グループには現在、約20病院に計100人程度の救急救命士が所属しており、年々増加。従来、救急救命士は看護部などに所属するケースが多かったが、複数の救急救命士が所属する病院では、独立した部署を設けるケースが増えている。また徳洲会ではグループ全体で救急救命士を、処遇面を含め「医療職」として明確化している。
「救急救命士が横の連携を」と末吉院長 救急救命士部会部会長に選出された能登路副室長
同会議にはグループの多数の病院から約80人の救急医療関係者が参加。救急部会長の末吉敦・宇治病院院長は「各徳洲会病院の救急救命士が情報共有など横の連携を取れるように救急救命士部会を発足します。活動場所の範囲は拡大しましたが、救急救命士による救急救命処置の医学的な質の担保を図るため、改正法によっても求められている“院内メディカルコントロール(MC)協議会”による教育や指導、検証を行うなどルール順守が大切です。救急部会で、病院内での位置付けや教育体制のあり方など討議していきたい」と呼びかけた。
吹田徳洲会病院(大阪府)救急・集中治療部門の丸川征四郎部門長が「院内救急救命士の在り方と展望」と題し、院内救急救命士の活動の基本理念や業務範囲、必要な体制整備など講義。「『できること』と『してもよいこと』は別です」と順法精神の重要性を強調した。このほか、参加者から所属する病院での救急救命士の業務内容や、院内MC協議会の開催状況など報告があった。