茅ヶ崎病院 呼吸苦や味覚・嗅覚異常など 新型コロナ後遺症外来を開設
茅ヶ崎病院
呼吸苦や味覚・嗅覚異常など
新型コロナ後遺症外来を開設
「適切な検査で後遺症の原因がわかり治療ができます」と佐藤副院長
茅ヶ崎徳洲会病院(神奈川県)は「新型コロナウイルス後遺症外来」を10月に開設した。担当は内科の佐藤信昭副院長。新型コロナは感染後、陰性になってもせきや呼吸苦、頭痛、倦怠(けんたい)感、めまい、味覚・嗅覚異常、脱毛などの症状で苦しむ患者さんが少なくない。
佐藤副院長は「後遺症に悩む患者さんは他の医療機関で『異常がない』、あるいは『時間が経てば良くなる』と言われ、放置されているケースが多いです。昨夏頃から後遺症を訴える患者さんが来院しはじめ、第5波でさらに増えました」と指摘。
従来は内科の外来枠で対応していたが、患者さんにわかりやすいように後遺症を専門に診る外来枠を設定し、毎週木曜午前に予約制で実施。当初は診察に要する時間が読めなかったため、予約枠を1人に限っていたが、現在は所要時間がわかってきたことから、6人の予約を受け付けている。
同外来では初診時の問診で、新型コロナワクチンの接種歴、基礎疾患の既往歴、新型コロナ感染時の療養場所(病院や自宅など)などを確認。血液検査や尿検査、必要に応じて胸部CT(コンピュータ断層撮影)撮影、MRI(磁気共鳴画像診断)検査などを行う。また、味覚・嗅覚異常など後遺症がある場合は、これらに関連する検査項目として亜鉛の検査を実施。
「後遺症外来受診者の約75%に亜鉛低下が見られます。亜鉛不足に陥ると、味覚・嗅覚障害、脱毛、またブレインフォグと呼ばれ頭の中に霧がかかったような状態となり、記憶力や注意力が低下したり、創傷の治癒が遅くなったりします。検査結果をふまえ亜鉛欠乏症治療薬を処方しています」
せきが止まらない患者さんにはアレルギー反応を調べるスクラッチテストという検査を行い、結果に応じて適宜、気管支喘息(ぜんそく)の治療に用いる吸入ステロイドを処方。佐藤副院長は「1カ月以上経過しても後遺症でお困りの患者さんはご相談ください」と呼びかけている。