神戸病院が新築移転へ診療機能強化 「レディース病棟」オープン 分娩受け入れ本格スタート
神戸病院が新築移転へ診療機能強化
「レディース病棟」オープン
分娩受け入れ本格スタート
レディース病棟を支えるスタッフ
レディース病棟は当初、4月オープンを予定していたが、新型コロナ患者さんへの対応を優先させるために延期。中村美津・看護部長は「オープン1週間前に延期を決め、職員のモチベーション低下が懸念されましたが、病院としての責務を果たしました」と明かす。
約半年が経過した10月に同病棟がオープン、15日に1例目の分娩を実施した。同院では2週間の健康チェックに加え、直前の遺伝子検査によりコロナ陰性が確認できれば、家族の立ち合いを許可している。
経産婦は助産師で対応へ 医師の負担軽減を視野に
1例目の分娩を終え、ほっとひと息 分娩後は特別な「お祝い膳」で祝福
林由紀助産師は「無事にお産を終え、ほっとしました。2例目、3例目と続き、スタッフの連携も強まっています。今後、経産婦のお産は助産師のみで対応する“院内助産”を推進し、医師の負担を軽減していきたいです」とアピール。また、林助産師は産後ケア実務助産師研修を修了しており、産後の育児支援にも注力していく考えだ。
妊婦さんへの食事は、同院の栄養科が対応。入院中の食事に加え、分娩を終えた後は特別な「お祝い膳」で祝福する。宮本博史・栄養科副主任(管理栄養士)は「食器や料理の見た目にもこだわり、かつ院内で調理する利点を生かし、できたてを食べていただけるようにしています。病院食とは違った大変さがありますが、“美味しい食事”を目的に当院を選んでいただけるように頑張ります」と意気込みを話す。
同病棟は産科・婦人科の混合病棟で、梶谷千春・看護副主任は「看護師、助産師それぞれの専門知識を生かし、女性の一生をサポートできる病棟をつくりたいです。病院の外に出て、地域の方々の悩みに応える場も設けられたらと考えています」と展望。
また、野方由佳看護師は「お産はまだ経験が少ないので、一例一例を積み重ねていきたいと思います」と意欲を示すと同時に、婦人科の患者さんに対し「指導が行き届かず、入院を繰り返すケースもあります。退院後の生活が安定するように、しっかりと介入していけるようになりたいです」と目標を話す。
同院は25年に新築移転を予定。中村・看護部長は「新病院では、よりハード面を強化していきたいと考えています。今はまだ分娩受け入れを開始したばかりですので、これから当院のある垂水区で唯一のお産ができる総合病院として、地域に貢献していきます」と意気軒高だ。