名古屋病院 核医学検査の最新知見
2021.11.02
名古屋病院
核医学検査の最新知見
名古屋徳洲会総合病院は9月25日、第12回春日井心臓血管セミナーをオンラインで開催した。テーマは「核医学検査の最新知見」。グループ病院や地域の医療従事者ら約170人が参加した。
第12回春日井心臓血管セミナー
名古屋病院で講演する川畑センター長(左上から時計回りに)七里・主任部長、林部長、大橋総長
冒頭、大橋壯樹総長が「このセミナーは春日井市医師会が共催し、情報の公平性を保つため、企業協賛を受けていないのが特徴です」とセミナーの趣旨を説明。続いて同院の安藤みゆき循環器内科部長が「当院における核医学検査」をテーマに、6月に導入したSPECT装置の特徴など報告した。
セッション1では同院の小林智則・脳神経内科部長が座長を務め、八千代病院認知症疾患医療センターの川畑信也センター長兼神経内科部長が「認知症診療と脳画像検査~臨床の現場で脳SPECT検査をどのように利用し活用したらよいか」と題し講演。まず症例をもとに認知症の問診のポイントを解説。診断に脳画像検査を活用する際は①問診などで典型的な病像を示す場合、脳形態画像検査のみで良い、②若年発症の認知症、とくにアルツハイマー型認知症を疑う時は、脳SPECT検査を行う――などと説明し、「脳SPECT検査は診断確定ツールとして利用すべき。絶対的な診断ツールではないので丁寧な問診・診察が重要」と助言。
セッション2では中津川市民病院の林和德・診療部長兼循環器内科部長が座長を務め、榊原記念病院の七里守・循環器内科主任部長が「診察室で心筋シンチグラフィーを使いたおす」と題し講演。負荷心筋血流シンチによる虚血評価は、経皮的冠動脈形成術(PCI)の適応決定のみならず、予後評価も可能であると説明。心電図同期SPECTによる左室壁運動の評価は、再現性が高く、虚血性心疾患や心不全診療で臨床的有用性が高いと強調。さらに「二次性心筋症の診断のために、心筋シンチの応用が始まっています」と展望を示した。