名古屋病院 坂本部長が大会長 東海・北陸支部学術大会 日本緩和医療学会
2021.10.26
名古屋病院 坂本部長が大会長
東海・北陸支部学術大会 日本緩和医療学会
日本緩和医療学会第3回東海・北陸支部学術大会が10月9日にオンラインで開催され、名古屋徳洲会総合病院の坂本雅樹・緩和ケア外科部長が大会長を務めた。11月9日までアーカイブ配信中(学会ホームページから参加登録すれば視聴可能)。
「より現場に即した演題を多く用意」と坂本部長
大会テーマは「エビデンスとナラティブのはざまで」。がん拠点病院や大学病院での緩和ケアは、がん治療をサポートするためのものだが、市中病院では多くのケースが看取りにつながっている。治療をサポートする緩和ケアで重要になるのが“エビデンス(科学的根拠)”であり、看取りでは患者さんの“ナラティブ(物語)”を大切にする。
坂本部長は「現場ではエビデンスとナラティブのはざまで迷うケースが多くあります。今回は、より現場に即した演題を多く用意しました」。
教育講演では「サイコオンコロジー(精神腫瘍学)」や「緩和ケアにおける褥瘡(しょくそう)ケア」など現場で使えるエビデンスにかかわるトピックスを解説。シンポジウムでは「COVID-19と緩和ケア」、「現場での工夫、アイデア」など時代を反映し、患者さんへのナラティブ・アプローチをサポートする演題が多数あった。
坂本部長が座長を務め、聖隷三方原病院の森田達也・副院長兼緩和支持治療科部長が講演した「ひととおりのことをしても苦痛が緩和しない時の緩和ケア」では①画像を見る、どこが痛いか見直す、②使っている薬を見る、③朝から寝るまでを聞く──など順を追って、苦痛を緩和するためのアプローチ方法を説いた。
11月9日までアーカイブ配信中(学会ホームページからの参加登録が必要)
一般演題では名古屋病院の松井遊香・看護副主任が「終末期がん患者の自宅退院後訪問看護の同行訪問の振り返り」と題し発表。終末期がん患者さんが自宅退院する際、最初の訪問看護に病院看護師が同行、「在宅に合わせたケアの継続方法を検討できるなど利点があります。さらに地域との連携強化を図りたいです」と強調した。